「心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書」こちらの本、読みました。
本書の著者であるTestosteroneさんの本は「筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方」に続いて2冊目です。
なお、本書の読書感想は「前編」「中編」「後編」の3つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
Twitterフォロワー109万人のカリスマTestosteroneと現役精神科医が教えるメンタルの危機管理!
「永遠に生きると思って食事を管理しろ」「睡眠時間を死ぬ気で確保しろ」「悪いことは言わないからとりあえず運動しろ」「うつは甘えではなく脳の誤作動」「不安とどう付き合いながら生きるか」―etc
メンタルにポジティブな影響を与える生活習慣と精神医学の知識をふんだんなエビデンスを交えつつ、誰よりも面白く、熱く伝えます。 生きづらさや悩みを抱えている人たちに心の不調とうまく付き合い、ハッピーな人生の基盤を築くコツを伝授。うつ、発達障害、摂食障害、各種依存症(+グレーゾーンにある人たち)など漫画によるケーススタディも挿入しました。超ストレス社会を生きるあなたのためのバイブルです。
こんな感じの本です。
本書は2部構成になっており、読書感想としては第1部のみから引用します。
※前編:第1章、中編:第2章、後編:第3章
- 第1部 予防 is KING 心と体を守る最強の生活習慣
- 第1章 永遠に生きると思って食事を管理しろ
- 第2章 メンタルがブレやすい人は睡眠時間を死ぬ気で確保しろ
- 第3章 運動はハッピーな人生の基盤になる
- 第2部 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書
いくつか引用と感想
今回の記事では「第1部 第1章 永遠に生きると思って食事を管理しろ」から、いくつか引用してみます。
また本書は会話形式になっており、登場人物は以下の通りです(敬称略)。
- Testosterone:https://twitter.com/badassceo
- 岡:精神科医
- 久保:博士(スポーツ科学)
すごくざっくりのプロフィールですが、この方々の会話形式で進みます。
タンパク質が空腹感を抑える!?
――日本人の食事スタイルは白米など炭水化物が中心で、タンパク質量が足りていないと聞いたことがあります。マクロ管理法を取り入れると、ほとんどの人はタンパク質摂取量が増えそうですが、タンパク質を摂ることのメリットなどもあったりしますか?
【久保】エビデンス的にはまだ弱いのですが、食欲とタンパク質の摂取量は逆相関関係にあるとする「プロテインレバレッジ仮説」というものがあります。タンパク質の摂取量を増やせば増やすほど、過度な食欲が抑制される。つまり、バカ食いをしにくくなる可能性があるそうです。
――タンパク質を摂ると食べすぎを防げるということですか?
【久保】Leidyら(2010)は、高タンパクな朝食を食べることで、その日1日の間に空腹を感じることが減ったとしています。この研究ではシリアルなどの低タンパクメニュー(タンパク質摂取量18g)と、ヨーグルトなどの高タンパクメニュー(同50g)を被験者に交互に試してもらった結果を比較しています。
――確かに炭水化物である白米やラーメンなら爆食いできますが、タンパク質の多い肉や魚を死ぬほど食べる、というのはなかなか難しい気もしますね。でも、Testosteroneさんが実践しているマクロのように、タンパク質を体重の2倍のグラム数とるのは結構大変そうですね・・・。
【久保】先ほどTestosteroneさんも言っていたように、体重の2倍というのはIOCが定めているスポーツ選手へ向けてのガイドライン(体重1kgあたり1.2~1.7g)よりもさらに多い数字ですので、一般人はもっと少なくても大丈夫です。0.8~2倍というのがWHOのガイドラインになっています。それに「健康のためにたくさんタンパク質を摂らなきゃ」と強迫観念にかられるのは本末転倒ですからね。
今回の引用の序盤に出てくる「マクロ管理法」は、このブログでも何度か紹介しています。
本書でも詳しく書かれているのですが、その辺りは割愛します。
代わりに、以前の記事をリンクしておきます(本書と同じ著者です)。
また、自分もマクロ管理法を実践しています。
以下の記事で詳しく書いています。
今回の引用で自分が一番興味を持ったのは「プロテインレバレッジ仮説」です。
自分もマクロ管理法を始めたことでタンパク質の摂取量が増えました。
それにより、徐々に食欲が落ち着いていった感覚がありました。
マクロ管理法を始める前は「炭水化物:多め、タンパク質:少なめ」な状態でした。
好き勝手に食べると、どうしてもタンパク質が不足しがちでした。
その状態の時は、食欲が暴走ぎみでした。
満腹まで食べないと満足できない状態になっていて、体重も徐々に増えていっていました。
仕事が忙しかった影響もありそうですが、良くない状態でした。
その状態からマクロ管理法を始めて、「炭水化物:少なめ、タンパク質:多め」を意識して食習慣を見直しました。
自分の「性別、身長、体重、年齢と活動量」からすると、炭水化物とタンパク質の目標量が同じくらいでした。
なのでタンパク質多めを意識して、目標量を達成するようにしていました。
始めた当初は食欲が抑えれない時もあったのですが、徐々に食欲が落ち着いていきました。
満腹まで食べなくても不思議と満足感があり、体重も徐々に減っていきました。
マクロ管理法による食習慣の見直しと同時に筋トレも始めていたので、健康的に痩せることが出来たかなと思っています。
プロテインレバレッジ仮説は「エビデンス的にはまだ弱い」とのことですが、自分の体感的には納得感のある内容でした。
ちなみに「たんぱく質レバレッジ仮説」と言ったりもするみたいです。
参考サイトをリンクしておきます。
朝食を食べると三文の徳
――食事のタイミングについては何か研究がありますか?
【久保】Arora(2012)がインドのデリーで行った調査によると、朝食をとる人ととらない人では、朝食をとる人の方が、栄養状態が良く、運動・活動量も多く、勉強時間が増え、うつ症状も少なかったそうです。
――なるほど! 時間がなくて、ついつい朝食を抜いてしまうことも多いのですが、朝はちゃんと時間に余裕を持って起きて、しっかり食べた方がいいんですね。
【久保】日本人を対象にした研究もあります。Hideseら(2018)は日本人1万1876人を対象に、肥満(BMI)や生活習慣と、精神疾患の関連性について調べました。それによると、うつ病になった人は頻繁に間食したり、夜食をとったりする人が多い一方で、朝食を食べる人は少なかったそうです。「うつ病と朝食の摂取頻度には負の関連がある」としていますので、朝食を食べる習慣がある人はうつ病になりにくいと言えます。
――気のせいかもしれませんが、確かに朝ちゃんと食べたときは頭も働くし、気分も明るく過ごせるような感じがしますね。
【久保】繰り返しになりますが、朝食をしっかりとる人は時間管理ができて、そもそも心に余裕があるからこそこういった研究結果が出た、という可能性もあります。朝食さえとれば・・・みたいな話ではないので、留意してください。
【Testosterone】俺、朝食を楽しみに眠りにつくし、朝食が食べたくて食べたくて仕方がなくて朝起きるので、朝食を食べなかったこと、たぶん人生で一回もない。朝食、好きだ! 付き合ってくれ!
朝食に関しては「食べた方が良いと主張する本」「抜いた方が良いと主張する本」どちらも見かけたことがあります。
自分が読んだ本の中では「食べた方が良い」の遭遇率が高く、エビデンスベースで書かれていることが多いです。
一方で「抜いた方が良い」の遭遇率は低く、エビデンスベースというよりは著者本人の成功体験として書かれていることが多いです。
あくまで自分が読んだ本の中ではありますが、そんな感じなので自分は「食べた方が良い」を信じています。
今回の引用でも、「朝食をとる人の方が、栄養状態が良く、運動・活動量も多く、勉強時間が増え、うつ症状も少なかった」とのことでメリットがたくさんありますね。
「朝食をしっかりとる人は時間管理ができて、そもそも心に余裕があるからこそ…」という補足も書かれています。
こういった断言しない感じも良いなと思っています。
個人的な感覚ですが、断言する言い回しには警戒してしまいます。
そういった点でも、本書は読みやすかったです。
ちなみに本書は、主に岡さんや久保さんがエビデンスベースで詳しい解説をしてくれています。
それに対してTestosteroneさんは、Twitter的な軽いノリ?な時が多いです(真面目な時もありつつ)。
本書はメンタルヘルスを取り扱っているため重たい内容になることもあるのですが、Testosteroneさんが箸休め的な存在になって気軽に読める側面もありました。
本書は暗くなりすぎない雰囲気を作ることを意識したのかなと、勝手ながら思いました。
おわりに
ということで「心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- タンパク質が空腹感を抑える!?
- 朝食を食べると三文の徳
の2つでした。
「タンパク質が空腹感を抑える!?」の引用に書かれていた「プロテインレバレッジ仮説」は興味深い内容でした。
自分としてもタンパク質の摂取量を増やしたタイミングで徐々に食欲が落ち着いたこともあり、この仮説は合ってるんじゃないかなーと勝手に思っています。
もちろん人によるでしょうし、同じタイミングで筋トレも始めたので運動習慣が変わった影響もあるのかもしれませんが。
「心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』[前編] ← 今回の記事
- 【感想】『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』[中編]
- 【感想】『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』[後編]
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