「イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本」こちらの本、読みました。
本書の著者、内藤誼人さんの本は今回で6冊目です。
これまでの読書感想は、この記事の最後に関連記事としてリンクしておきます。
なお、本書の読書感想は「前編」「後編」の2つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
ストレスとの付き合い方がわかれば、毎日はもっとラクになる!
職場での人間関係、たえず情報が飛び交うSNS、変化の激しい社会、将来への不安……。
私たちが暮らす現代社会は、ストレス社会です。「人に気を遣いすぎて疲れる」
「周りと比べて、自分はダメだと落ち込む」
「完ぺきにしなければ」 「うまくやらなければ……」など、毎日へとへとになっている方に向けて、
ストレスが軽くなる考え方や生活習慣、手軽にできる気分転換のコツを、世界中の心理学の知見の中から紹介します。
こんな感じの本です。
内藤さんの本は今回で6冊目です。
いつもの感じで、研究データを交えながら解説しています。
分かりやすく納得感がありました。
著者情報
ダイヤモンド・オンラインに、本書の著者である内藤誼人さんのページがあったのでリンクしておきます。
内藤さんの公式ホームページがあったら良かったのですが、なかったため代わりにダイヤモンド・オンラインの著者ページをリンクしました。
上記リンクにプロフィールや、内藤さんが書いた記事が一覧表示されています。
いくつか引用と感想
想像の方がイヤなもの
米国コロラド州イングルウッドにあるクレイグ病院(神経リハビリテーションの専門施設)のケネス・ガーハートは、153名の救急病棟のナースや医療関係者に、もしあなたが脊髄損傷になったとしたら、「生きているだけでもよかった」と思うかどうか聞いてみました。すると「生きていてよかったと思う」と答えた人は18%しかいませんでした。
ところが、実際に事故に遭った患者に同じことを聞くと、なんと92%が「生きているだけでよかった」と答えたのです。
事故に遭うことは不幸なことには違いありませんが、当事者はというと、そんなに落ち込んでばかりというわけではなく、むしろ「生きていてよかった」という喜びのほうを強く感じるものなのです。不安や心配もそうで、不安に思っていることが実際に起きたとしても、「なんだ、こんなものか」と思うことのほうが現実には多いのです。
私たちは、心配事について自分の頭の中で勝手に大きくしてしまうものですが、実際にそれが起きてみると全然たいしたことはなかった、ということは少なくありません。拍子抜けすることもあるでしょう。(中略)
大切なことは、自分で悩みを大きくしないこと。
「○○になったら、どうしよう?」という思考ではなく、「○○しても、実際にはたいしたことはないかも?」という思考をとりましょう。そのほうがむやみにおびえることもなく、スッキリとした心で生きていくことができます。
「もしあなたが脊髄損傷になったとして」「生きているだけでもよかったかどうか」はちょっと難しい問いというか、少し極端な例に感じてしまいました。
ただ、「想像の方がイヤなもの」というのは自分の体感としても納得です。
自分は不安になりやすいタイプです。
例えば新しいプロジェクトが始まるとなった場合にも、プロジェクトが始まる前から色々と不安が巡ってしまいます。
不安が頭の中で勝手に大きくなってしまいます。
でもいざプロジェクトが始まってしまうと、多少は問題は生じるものの思っていたよりスムーズに進むことが多いです。
始まる前に不安に思っていたことは、意外と現実化しません。
「あんなに悩んでいたのは何だったんだろう?」となったりします。
不安だからこそ先回りして色々と事前準備したり、その準備により結果的にスムーズに進んでいる可能性もあります。
ですが、事前準備が無駄に終わってしまうパターンもきっとあります。
ほどほどに不安を感じて、それにより無駄のない事前準備が出来たら一番良いんでしょうが、なかなか難しいところ。
自分の不安になりやすい傾向は今後もあまり変わらないでしょうから、今回の引用にあるように「○○しても、実際にはたいしたことはないかも?」のスタンスを取り入れると多少はラクになるかなと思いました。
ポジティブなものに目を向ける
アメリカにあるヴァンダービルト大学のトーマス・アームストロングは、アイトラッキングという視線を追跡する装置を使って、感情障害のある人がどういうものに注目しやすいのかを調べました。
「微笑む子ども」であるとか「走り回る犬」のようなポジティブな画像と、「腐乱した動物の死骸」や「がんに侵された細胞」などのネガティブな画像を同時にいくつも並べて、視線がどこに向かうのかを追跡してみたのです。
すると、感情障害のある人は、ネガティブな画像ばかりに焦点を当てて、ポジティブな画像をあまり見ないことがわかりました。ネガティブな気持ちになりやすい人が、なぜネガティブなのかが、これでわかりますね。
そう、ネガティブな人は、ネガティブなものばかりに目を向けるのがいけないのですよ。
世の中には、見ていて心が洗われるというか、清々しくなるようなものはいくらでもあるはずです。
そういうポジティブなものに目を向けるクセをつけましょう。
自分もネガティブなことに目を向けがちです。
例え10個のポジティブなものを見たとしても、1個のネガティブなもので吹き飛んでしまう気がします。
どうしても、ネガティブなものの方がパワーがあるように感じてしまいます。
ちなみに今回の引用は、以下の引用に似たものを感じました(同じ著者です)。
上記の引用では「高い自尊心を維持している人は、自分についての悪いコメントなどを、無視することが多い。」としています。
違う実験データのようですが、今回の引用に近いニュアンスを感じました。
ネガティブなことに目を向けがちな人への対策として、今回の引用には「ポジティブなものに目を向けるクセをつけましょう」と書かれています。
それが出来たら苦労はないのですが、意識してみようと思います。
ネガティブ思考を「モノ」として処分
スペインにあるマドリード自治大学のパブロ・ブリノールは、83名の高校生に、3分間で、自分の体についてイヤだと思っているところを紙に書いてもらいました。
「目が一重なのでイヤ」
「足が短いところがコンプレックス」
「お尻が大きすぎる」
などのようにです。
さて、こうしてネガティブな気持ちになってもらったところで、ブリノールは参加者を2つに分けました。
ひとつは、ゴミ処理条件。こちらは、自分が先ほど書いた紙をビリビリに破ってからゴミ箱に捨てるように求めました。
もうひとつはコントロール条件で、自分の書いた紙をもう一度読み直して、スペルチェックをするという意味のないことをしてもらいました。そのあとで、自分の体のセルフイメージについて、好き嫌いや魅力的だと思うかどうかを尋ねてみました。
すると、書いた紙をビリビリに破った人たちのほうが、書いた紙を読み直してスペルチェックをした人たちよりも、セルフイメージがよくなることがわかったのです。ですから、ネガティブな思考が頭に浮かんだら、まずはそれを紙に書いてみましょう。十分に書き出したところで、その紙をグシャグシャに丸めたり、あるいは細かくちぎったりするのです。
そういう行動をすることで、「はい、これでネガティブ思考が消えた!」と自分に言い聞かせるのです。単に「ネガティブ思考をやめよう」というより、行動的に処理したほうが、ネガティブ思考は消えやすくなります。
「悩みを紙に書き出す」といった内容は本でよく見かけます。
今回の研究データはそこからもう一歩踏み込んで、「書いた紙をビリビリに破ってからゴミ箱に捨てる」というのを追加しています。
これによりネガティブな思考が「モノ」として処分されたイメージになり、より効果が高まったわけですね。
「モノとして処分」「行動的に処理」といった要素を加えるのは手軽ですし、手軽な割に効果が高そうだなと思いました。
ちなみに今回の引用に似ている内容を、以前の記事でも引用していました。
こちらは「いやな気分を書き出して封筒に入れる」というものです(これも同じ著者)。
リンクします。
上記の引用も「モノとして処分」「行動的に処理」している感じがあり、同じような効果が期待できそうです。
おわりに
ということで「イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 想像の方がイヤなもの
- ポジティブなものに目を向ける
- ネガティブ思考を「モノ」として処分
の3つでした。
3つとも劇的な効果はないかもしれませんが、小技として有効そうに感じました。
こういった小技を積み重ねることもメンタルヘルスに繋がるかなと。
次回は「イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本(後編)」としてアレコレ書いていきます。
(追記)
後編の記事を書きました。
こちらも良ければぜひ。
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