「すごいメンタル・ハック ストレスフリーで生きる77の心理術」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は後編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
スタンフォード大学、イェール大学などの研究結果が、その効果を実証!
人は「鋼鉄のメンタル」が9割
「心のコントロール」で、人生は思い通り!
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
著者情報
ダイヤモンド・オンラインに、本書の著者である内藤誼人さんのページがあったのでリンクしておきます。
内藤さんの公式ホームページがあったら良かったのですが、なかったため代わりにダイヤモンド・オンラインの著者ページをリンクしました。
上記リンクにプロフィールや、内藤さんが書いた記事が一覧表示されています。
いくつか引用と感想
現実は思うほど悪くないと考える。
不安感が高い人には、自己評価がものすごく低い、という傾向がある。たとえば、なんらかの仕事をやらせると、本当はそんなに悪くもないのに、自分の仕事の出来栄えがものすごく悪い、と思い込むのである。
カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のリン・アルデンは、引っ込み思案で、自己主張ができない人を集め、自己主張の強い人になりきって演技をさせるという実験をしたことがある。その場面をビデオに録画し、多くの人に判定してもらった。
まず、自己主張のできない人に、自分の演技について自己評価してもらうと、ものすごく悪く評価をした。
「私の声は震えていた」
「私の手も震えていた」
などと、悪い評価をしたのである。
ところが、ビデオを見て判定した人たちの評価は、「とても上手に話している」「スムーズな話し方をしている」「不安も感じていないように見える」というように、非常に高い評価であった。
結局、「ダメだ」と思っているのは、本人だけだったのである。
「不安感が高く、自己評価が低い。」
これは、自分もそうかもしれないなぁと感じます。
ただそういった人は、自己評価が低いことに気付いていない気もします。
引用に書いてある実験内容から想像しても、自己評価が低いと気付いていない感じがしました。
自己評価が低いことに気付ける人は客観的に自分を見れている気もしますし、それに気付けないのだとしたら客観的に自分を見れていない。ということになるかなと。
しかも自己評価の低さが、きっと現実離れしているんだろうなと思います。
「ダメだ」と思ってるのは本人だけだった。というのはなんとも悲しいですね。
なんなら恥ずかしい感じすらあります。
自己評価した際に「低すぎないか?」と立ち止まったり、自己評価だけで終わらせずに他人の評価も積極的に確認するようにすると良さそうですね。
もし他人の評価も低かったら、それはそれで自己評価が適正だったことが分かります。
自己評価も他者評価も低いとなると落ち込みそうですけど。
他人の評価が自己評価より高かったら「やっぱり自己評価はあてにならない」と思えそうです。
とはいえ、他人の評価が必ずしも正しいとも言い切れないですよね。
関係性によって過大評価する人も過小評価する人も居そうです。
関係性を抜きに、良い意味で空気も読まずに、なるべくフラットに評価してくれる人だとありがたいですよね。
不安にはリターンがあると考える。
不安を感じやすい人は、ある意味で、ラッキーである。なぜなら、不安を解消できたときに、普通の人以上に大きな興奮を味わうことができるからだ。不安が大きければ大きいほど、それを克服できたときの興奮は、ずっと大きなものになる。
フランスにあるランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学のファビエン・レグランドは、感情の「リバーサル理論」という理論を提唱している。不安や緊張といった感情は、逆転(リバーサル)して、興奮を生み出す、という理論だ。
この理論を検証するため、レグランドは、フランスのボージュ山にあるテーマパークで研究を行っている。
レグランドが向かったのは、絶叫マシンのアトラクション。そのアトラクションに乗る前と、乗ったあとでの気分の変化を調べさせてもらったのである。
その結果、絶叫マシンに乗る前に不安が高かった人ほど、乗り終わってからの興奮が大きいことがわかったのだ。
絶叫マシンに乗るときに、あまり不安にならない人もいる。そういう人は、興奮を味わうこともできない。
お客さまの前で、商品説明をするのが不安だという人がいるとしよう。
そういう不安を感じることは、逆にラッキーなのだと考えたほうがいい。なぜなら、仕事が終わったときに、だれより大きな爽快感や興奮を味わうことができるのだから。
悩み事を誰かに相談してスンナリ解決したり、不安を抱えながらもなんとか自力で解決できたりした時のホッとした感じは良いものかもしれないですね。
リターンといえばリターンかなと。
引用で書かれている興奮や快感とは少し違う気もしますが、他で得ることが出来ない感覚かもしれません。
こういった「リターンがある」と考える観点は、今まで読んだことがなかったので新鮮でした。
この観点を持っておくことは大切なのかもしれません。
出来れば不安がない状態が一番良いのですが、その状態になることはまぁ難しいかなと。
そうなると、不安に対してリターンを期待するマインドは意外と良いかもしれません。
ただ、引用にある「絶叫マシンに不安にならない人は興奮を味わうこともできない。」というのは、「ホントかなぁ?」とも思ったり。ちょっとオーバーな表現に感じました。
不安のある人ない人で興奮のタイプが違うだけで、どちらも興奮している気はします。
とはいえ、不安に対してリターンを期待するマインドは良さそうなので良い収穫でした。
せっかくなので「リバーサル理論」に関して、参考リンクを貼っておきます。
注意、叱責をした相手をほめる。
部下を指導するとき、甘い顔をしているだけでは、上司として失格である。ビシッと叱らなければならないときには、心を鬼にして叱らなければならない。とはいえ、叱ってばかりでは部下も腐ってしまう。なかなか難しい問題だ。
部下や子どもを叱責したり、説教したりすること自体は、悪いことではない。
しかし、叱ったら、必ずフォローが必要だ。
一度叱ったら、その何倍もほめてあげるようにすれば、つり合いがとれる。
ワシントン大学のジョン・ゴットマンは、何年にもわたる研究によって、好ましい人間関係を築くための黄金比率を導き出した。これは「ゴットマン比率」と呼ばれている。
たとえば、満足のいく結婚生活を続けたいのなら、相手の耳に痛いことを1回言ってしまったときには、ポジティブなことを5回言ってあげなければならない。
あるいは、親と子どもの関係でいうと、親が子どもを、「何をやらせても遅いのね」と叱ってしまった場合には、3回はほてあげなけばならない。
ゴットマンが明らかにしている、人間関係の黄金比率の一部は、次のようなものだ。親と子ども・・・ポジティブ3、ネガティブ1
ボスと部下・・・ポジティブ4、ネガティブ1
配偶者・・・・・ポジティブ5、ネガティブ1
友だち・・・・・ポジティブ8、ネガティブ1
「ゴットマン比率」というのを今回初めて知ったので引用してみました。
相手によってポジティブ・ネガティブの割合が異なるのがポイントで、納得感が増しますね。
引用すると長くなってしまうので割愛しましたが、相手が「友だち」の場合は1つネガティブなことを言ったら、8つのポジティブなことを言わないとつり合いがとれない。
それは非常に面倒なので最初からネガティブなことを言わないほうが賢明だ。というようなことが書かれています。
上記のスタンスが一番良いような気がします。
わざわざネガティブなことを言うシチュエーションはそこまで多くないかなと思っています。
そうなると最初からネガティブなことを言わないスタンスが良いかなと。
油断してネガティブなことを言ってしまった場合だけ、ゴットマン比率を思い出すと良いのかなと。
せっかくなので「ゴットマン比率」に関して、参考リンクを貼っておきます。
おわりに
ということで「すごいメンタル・ハック ストレスフリーで生きる77の心理術(後編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 現実は思うほど悪くないと考える。
- 不安にはリターンがあると考える。
- 注意、叱責をした相手をほめる。
の3つでした。
「注意、叱責をした相手をほめる。」に書かれているゴットマン比率は今回初めて知りました。
「ゴットマン比率」でネット検索すると、10年くらい前の記事がけっこうヒットしている印象でした。
これは10年くらい前に一度盛り上がったんですかね…?
前編の記事、改めてもう一度貼っておきます。
こちらも良ければぜひ。
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