『科学的に「苦手意識」をなくす技術』を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は後編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
誰も一つくらいは“苦手意識”があるのではないかと思います。
しかし、あなたのその“苦手”は、実は過去の「失敗の記憶」にすぎません。
自分は意識していなくても、脳にこびりついている「失敗の記憶」が苦手や不安をつくってしまっているのです。なので、あなたをダメにしている失敗(心の傷)を消していけば、きっと心のモヤモヤが消え去り、自分に自信がもてます。
「失敗」をコントロールできれば、心も身体も軽くなり少しずつ毎日が楽になります!ちょっとした気づきや実践によって、不安を解消し、気分をリセットすることができる脳科学メソッドを紹介していきます。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
著者情報
本書の著者である西多昌規さんの公式ホームページがありました。
ホームページの中から「プロフィール」ページをリンクしておきます。
いくつか引用と感想
自己嫌悪の原因はほとんど自己愛
「自分が思ったようないい結果を出せない」「満足のいく実績が上げられない」という軽度の失敗が続くことで、だんだんと自己嫌悪に陥ってしまう。そんなケースをよく目にします。こうした状況から脱するためには、どういった行動が必要になるのでしょうか?
まずは、「思ったような結果」が何を基準に設定されているかを自覚することです。大抵の場合は、たとえば社内目標のような数字そのものではなく、自分自身が比較対象としている他人・ライバルの「結果」が基準となっています。
比較した結果、「自分が劣っている、失敗している」という悩みにつながっています。「あいつに営業成績で負けてしまった」ならば、数字で表されているので受け入れざるをえない面もあります。しかし、「彼のほうができそうだ」「どうも自分はパッとしない」は、根拠のない比較作業です。自他の比較でモヤモヤしたら、一旦考えるのを保留しましょう。
しかも、数字で負けたとしても、それは一時的なものかもしれません。野球でも、6割勝てれば優勝です。「勝った、負けた」と一喜一憂するのは、実は近視眼的な感情の動きに過ぎないのです。
目の前に明確な比較対象がなくとも、社会に生きる人間には、低く評価されたくない、デキる人間だと思われたいという「自己愛」があるものです。
「結果を出せない状況」が辛いのは、他人よりも劣っていると感じると同時に、強すぎる自己愛が満たされていないことが原因となっているのです。
自分もよく、他人と比べてしまうクセがあります。
ただしその際、自分を低く見積もり、他人を高く見積もる傾向にある気がします。
自分の評価は減点方式で、当然ながら自分のデータは豊富にあります。
減点できるポイントがたくさんあるため、どうしても自分の評価は低くなってしまいます。
一方で、他人の評価はそこまで豊富にデータがあるわけではないです。
良いポイントばかりが目につき、それを加点方式で採点し、結果として高い評価になってしまいます。
そんな状態での比較作業は、あまり平等な比較になっておらず、意味のない作業になっている気がします。
自己評価も他者評価もピタリと出来る人なら比較にも意味がありそうですが、そんな人はそうそう居ないのではないかなとも思います。
そして自分は自己評価が低いにも関わらず、完璧を目指す傾向にあります。
これは「低く評価されたくない」「デキる人間だと思われたい」気持ちがあるのかもしれません。
これまで自覚的ではなかったのですが、もしかしたら「自己愛」が強い傾向にあるのかもなぁと思いました。
不安で行動できないときは、2割だけやってみる
神経症の治療法で「森田療法」というものがあります。
この療法には、不安を軽くするためのヒントが多々あり、不安症状の原因そのものではなく、行動に重点を置いているという特徴があります。
最低限の生活行動の中で、小さな不安と向き合うことから始め、次に庭の掃除などの軽作業を行う療法によって、患者さんは作業に没頭する中で不安を解消する習慣を脳に植えつけていきます。
そこには、不安の解消のためには関心の範囲を目先に限定し、完全を目指さない。「簡単なことから行動に移す」ことが有効であるとわかってきます。
不安に苦しむ人は、行動を起こすための力が不足し、最初の一歩を踏み出しづらくなっています。全力で取り組む際の2割程度でもいいので、とにかく行動してみる。
不明確な不安に悩む方は、小さなことでもいいので行動することを心がけてみてください。不安の原因が完全に消えることはないかもしれませんが、その不安に立ち向かうくらいの心の強さは得ることができるはずです。
不安に苦しんでいる時は、頭の中で悩みが勝手に大きくなってしまうことが多々あります。
ただ、その悩みにとりあえず着手してしまえば、思っていたより大きな問題ではなかったと気付くことも多々あります。
自分にはそういった経験があるので、今回の引用にある「2割だけやってみる」というのは納得感のある対処法に感じます。
とにかく行動してみるスタンスは大事ですよね。
勝手に膨らんでいた悩みが、行動することで現実的なサイズの悩みに落ち着くケースは割とよくある気がします。
また、今回の引用に書かれている「不安の原因が完全に消えることはないかもしれませんが」といった表現は妙に自分にフィットします。
「不安がなくなる」「ストレスがゼロになる」といった分かりやすい表現は本タイトルでよく見かけます。
そういったタイトルの本を読むこともありますが、過剰な気がしてしまいます。
多少過剰な表現になるのは仕方ないのかもしれませんが、あまり現実味がないんですよね。
「不安の原因が完全に消えることはないかもしれませんが」といった控えめな表現の方が、現実味があって良いなと感じます。
おわりに
ということで「科学的に「苦手意識」をなくす技術(後編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 自己嫌悪の原因はほとんど自己愛
- 不安で行動できないときは、2割だけやってみる
の2つでした。
本書は妙に自分にフィットしました。
読後感も良かったですし、ジワジワ効いてきそうな本に感じました。
前編の記事、改めてもう一度貼っておきます。
こちらも良ければぜひ。
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