「文章力を伸ばす」こちらの本、読みました。
文章術関連の本は今回の記事で5冊目です。
これまでの読書感想は、この記事の最後に関連記事としてリンクしておきます。
なお、本書の読書感想は「前編」「中編」「後編」の3つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
27万部のベストセラー『文章力の基本』が進化し、著者の6000件の文章指導のノウハウをまとめた1冊。「書く力は、考える力そのもの」「受け手発想で書く」「意味の狭い言葉を使う」「長文を書くポイント」など、著者が文章指導の際の生徒からの質問やよく陥りがちなミスをもとにした内容を数多く反映している。文章を書くときに大事なことだけれど、なかなか教わることがない81のポイントを、多くの文例とともにわかりやすく解説。
こんな感じの本です。
「文章力の基本」は既に読んで記事にしており、それが面白かったので本書も読んでみました。
いくつか引用と感想
今回の記事では「第2章 文の基本形を確かめる」から、いくつか引用してみます。
主語を間違えない
漫然と文章を書いていると、うっかり主語を間違えてしまうことがあります。
原文私の研究の動機は、学生が将来教員になった時に、この物語を教材として活用できると考えました。改善案私は、学生が将来教員になった時に、この物語を教材として活用できると考えました。改善案私の研究の動機は、学生が将来教員になった時に、この物語を教材として活用できると考えたことでした。この原文は、ある大学の先生が書いていたものですが、「動機は、考えました」では、かみ合いません。
「私は、考えました」か、「動機は、・・・と考えたことでした」とすれば、主語と述語の組み合わせが適切になります。
この原文のような間違いを自分もやってしまっている気がしたので、引用してみました。
なぜこういった間違いをしてしまうのか?
今回の引用の例文に沿って、自分なりに原因を考えてみます。
「動機は、」と書いてからしばらく文が続き、句点(。)で文を終える頃には序盤で「動機は、」と書いたことがボンヤリしてしまう。
結果として、終わり方が雑になってしまうのが原因の1つかなと思います。
また、句点で終えた後に「動機は、」の辺りを読み返さないのも原因としてあるかなと思います。
ただ、雑に読み返すと気付けない可能性もありそうです。
正直なところ、原文の内容でも文意は読み取れます。
ですがこういったミスを何度も見かけてしまうと、徐々に文章に違和感が出てくる感じがします。
ちなみに改善案が2つ書かれていますが、自分は1つ目の改善案が好みです。
主語を断りなしに変えない
文の途中で断りなしに主語や主題を変えてしまうと、読み手は戸惑ってしまいます。なるべく同じ主語で貫くようにし、主語を変えたい時にはそれを明示します。
原文大学の授業で学生が自分の意見を堂々と主張する機会を設け、国際的に通用する人間に育ってほしい。改善案大学の授業で学生が自分の意見を堂々と主張する機会を設け、国際的に通用する人間を育ててほしい。原文の主語は、前半が「大学」で、後半が「学生」です。改善案は、主語を「大学」で一貫させました。
これも原文のような間違いをやってしまっている気がしたので、引用してみました。
原文のような間違いは、頭の中では整合性がとれていたはず。
ですが、文章にする段階で主語がごっちゃになってしまった感じでしょうか。
「学生」への育ってほしい気持ちが先行するあまり、その前段となる「大学」に関する文への意識が薄れてしまったのかなと。
述語の共用にご用心
「時間もお金もかかる」という表現は、全く問題ありません。「時間」と「お金」が、「かかる」という述語を共用しているケースです。
しかし、「山や海で泳ぐ」は変です。「山に登り、海で泳ぐ」と別の述語が必要です。原文詳しくは店頭のポスターか、スタッフにお尋ねください。改善案詳しくは店頭のポスターをご覧になるか、スタッフにお尋ねください。ポスターに尋ねても、答えは返って来ません。「ポスターを見る(ご覧になる)」「スタッフに尋ねる」と書き分ける必要があります。
これは原文のような間違いをやってしまうことはあまりない気がします。
ですが、たまにこういった文を見かけるので引用してみました。
「ポスターに尋ねても、答えは返って来ません。」という指摘はその通りではあるんですが、ちょっと揚げ足取りに感じてしまいました。
正直なところ原文でも文意は読み取れますし、サラッと読んでいたら何も違和感を持たないかもしれません。
とはいえ、改善案の方が丁寧な印象を持つのは間違いないです。
おわりに
ということで「文章力を伸ばす(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 主語を間違えない
- 主語を断りなしに変えない
- 述語の共用にご用心
の3つでした。
今回引用した3つは、改善する前の原文でも文意は読み取れるかなと思います。
ですが、原文のようなミスがチラホラ出てくると読み手としては少し戸惑ってしまいます。
こういったミスを減らすには、月並みですが文章をしっかり見直すことが重要かなと思います。
「文章力を伸ばす」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『文章力を伸ばす』[前編] ← 今回の記事
- 【感想】『文章力を伸ばす』[中編]
- 【感想】『文章力を伸ばす』[後編]
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こちらも良ければぜひ。
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