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【感想】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』[後編] トートロジーは子供っぽさを呼び込む

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「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」を読んだ感想の続きを書いていきます。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ

今回は後編です。

前編、中編の記事はこちらです。

それではサクッと本題へ。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

「書けないカギは書く前にあり」。毎月3,000本以上の記事を配信し続けるカルチャーニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、一般向けに解説する初めての書籍です。通称「唐木ゼミ」と呼ばれる社内勉強会で新人育成を担当する著者が、「悩まず書くためにプラモデルを準備する」「事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げる」など独特の概念を通じて、文章を構造的に書くための方法をわかりやすく教えます。文章の具体的な改善ポイントも解説。企画書、報告書、レポート、ブログ、SNSなどあらゆる文章に有効です。

こんな感じの本です。

ここは前回の記事と同様です。

いくつか引用と感想

トートロジーは子供っぽさを呼び込む

そのデザートは、スポンジ生地の上にホイップクリームとピスタチオがトッピングされたデザートです。
そのデザートは、スポンジ生地の上にホイップクリームとピスタチオがトッピングされています。

「その花は、花です」。誰でもムムッと違和感を抱く文章ですね。言うまでもなく、主語と述語が同じところに違和感の原因があります。
こういった主述同一文は「トートロジー」と呼ばれ、基本的には回避すべき文型です(厳密に言うとトートロジーには同義循環や同語反復といったさまざまなタイプが存在しますが、ここでは主述同一文に絞って話を進めます)。
さて「その花は、花です」のおかしさには誰でも気付きますが、「その花は、南国に咲く花です」ならどうでしょう。付け加えられた修飾節が、もともとあった違和感を薄めていることがわかりますか。
しかしこれも構造に還元すれば主語と述語が同一であり、それゆえに、敏感な人なら一抹の間抜けさを感じ取ってしまうものです。避けられるなら避けるに越したことはないでしょう。

トートロジー」というワードは初めて知りました。
これは油断するとやってしまいそうですし、過去の記事を読み返すといくつか見つかりそうな気がします。

引用でも触れていますが、修飾節が付け加えられると違和感が薄まってしまいます。
それによって見落としてしまうこともありそうです。

改善前の文を「△」としているので、主述同一の文でも内容自体は何の問題もなく伝わります。
ですがこちらも引用で触れている通り、主語と述語が同一なことに気付くと間抜けさを感じてしまいます。

これは一度書き切ってから、全体の文章を俯瞰して読み返せばきっと気付けるはず。
面倒くさがらずに読み返す習慣を身に付ければ概ね防ぐことができそうです。

読み返す件に関しては、前編の記事でも引用しているのでリンクしておきます。

関連記事

文頭一語目に続く読点は頭の悪そうな印象を与える

さらに、その公演ではかつてのナンバーも披露して会場をわかせた。
さらにその公演では、かつてのナンバーも披露して会場をわかせた。

これはルールというよりフィーリングに属する問題ですが、文頭一語目の直後には読点を打たないほうが、多くの場合、スマートに感じられます。
特に危険なのは、一語目が接続詞のときと、文頭で主語を形成しているとき。これらに続く読点は、仮に意味的には正しくても、間の抜けた印象をもたらしがちです。
なぜ間が抜けた印象になるのでしょうか。いきなり読点を打つと、内容を考えながらしゃべっている人の口調に似てしまうからではないか、と私は考えています。バナナマンの日村さんがやる「幼少期の貴乃花」のモノマネを想起すると、わかりやすいかもしれません。

これはよくやっている気がします。
特に「ですが、」で文を始めることが何度もあります。
一語目が接続詞になっているパターンですね。

これは「~ですが、」で続けると1文が長くなってしまいがちなので一旦そこで1文を終わらせて、次の文の最初に「ですが、」で続けていくパターンです。

自分はそれほど違和感なく使っていたつもりだったのですが、まさか間の抜けた印象を与えてしまっているとは…。
ただ解説を読むと納得する部分もあります。

「日村さんがやる幼少期の貴乃花」はなんとも絶妙な例えですね。
一時期テレビでよく見ていました(イロモネアという番組でよくやっていた記憶)。

今回の引用を読んだことで、今後「ですが、」で書き始めた時に「日村さんがやる幼少期の貴乃花」が脳内再生されてしまう呪いにかかってしまいました…。
気を付けようと思います。

丸かっこの補足は慎み深さとともに

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主人公のタケシ(設定では未来からタイムスリップしてきた)は、予知能力者として祭り上げられてしまう(未来人ゆえにこれから起きる出来事を知っているため)
未来からタイムスリップしてきた主人公タケシは、これから起きる出来事を未来人ゆえに知っているため、予知能力者として祭り上げられてしまう。

丸かっこを用いた補足的な説明は、最小限に抑えましょう。
文章に組み込めなかった言葉を補足するのに、丸かっこは便利な約物ですが、多用するのは自らの文章構成力が低いと宣言しているようなものです。できるだけ地の文で説明するように心がけてください。
例文ではタケシの補足説明として、「(設定では未来からタイムスリップしてきた)」が加えられています。唐突な印象になりますし、メタ言及的な雰囲気も漂います。できるだけシンプルな構造とシンプルな文で書くように意識して、約物に頼らずに強調や整理ができる筆力を養いましょう。

丸かっこの多用も、よくやってしまいます。

昔、職場の上司にも「なるべく丸かっこを使わずに書いて」と指摘されたことがあります。
その指摘をきっかけに意識するようになっていたのですが、最近また少し多用してしまっている気がします。

引用でも触れているように、丸かっこは便利に感じます。
忙しかったり急いでいたりで、文章を構成している暇がない時に丸かっこを使ってしまうことが多い気がします。
丸かっこを使うことで文章構成を手抜きできてしまう感じでしょうか。

良さげな文章構成が浮かばない時はやむを得ず丸かっこを使うかもしれませんが、なるべく地の文で書けるようにしたいところです。

おわりに

ということで「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング(後編)」として書いてみました。

今回の記事で引用したのは

  • トートロジーは子供っぽさを呼び込む
  • 文頭一語目に続く読点は頭の悪そうな印象を与える
  • 丸かっこの補足は慎み深さとともに

の3つでした。

文章術の本を読めば読むほど、NGルールがたくさん見つかって文章を書くのが窮屈になる感覚があります。
それによって文章を書くのが億劫になってしまったら良くないので、自分の中でほどほどに、ゆるいルールで試しにチェックするくらいの感覚が良いかなと思っています。

また気になる文章術の本を見つけたら読もうと思います。

「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。

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読書感想リンク

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ビジネス文章力の基本 ダメ出しされない文書が書ける77のルール

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