「文章力を伸ばす」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は中編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
27万部のベストセラー『文章力の基本』が進化し、著者の6000件の文章指導のノウハウをまとめた1冊。「書く力は、考える力そのもの」「受け手発想で書く」「意味の狭い言葉を使う」「長文を書くポイント」など、著者が文章指導の際の生徒からの質問やよく陥りがちなミスをもとにした内容を数多く反映している。文章を書くときに大事なことだけれど、なかなか教わることがない81のポイントを、多くの文例とともにわかりやすく解説。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
いくつか引用と感想
今回の記事では「第3章 言葉を削れば、より多く伝わる」から、いくつか引用してみます。
削れる言葉は思い切って削る
一気に書いた文章を後で読み返すと、削れる言葉がたくさん見つかるものです。それを取り除くとスッキリします。
原文現在私の趣味の1つとしてランニングがありますが、始めから走ることが好きだったのかと言われるとそうではありませんでした。(59字)改善案私の趣味の1つはランニングですが、始めから走ることが好きだった訳ではありません。(40字)改善案で、言いたいことはすべて言えています。
原文本日の健康診断は、午前中に終了する内容となっております。改善案本日の健康診断は、午前中に終了します。「内容」という言葉に格別の意味はありません。「なっております」は、最近大流行の「なります」です。(P.201参照)
自分は原文のようなクドイ表現をしてしまいがちなので、引用してみました。
クドイ表現になってしまうのは、短く端的に終わる文にたまに冷たい印象を持ってしまうからかもしれません。
ランニングの例文では、原文でも改善案でも冷たい印象はないです。
健康診断の例文だと、改善案にほんの少しだけ冷たい印象を持ってしまいました。
貼り紙などに書かれている文章として見るなら、冷たい印象を持たないかもしれません。
ですが、こういった文章を相手にメールで送る際は一瞬「なんか冷たい文章かも?」と思ってしまうことがあります。
迷った末にそのままメールを送ることもありますし、残念なことに原文のようにクドイ表現に変えてしまうこともあります。
「冷たい文章かも?」と思ってしまうのは、おそらく自分の考えすぎです。
やはり改善案のようにスパッと端的に書いた方がスッキリしますね。
より短い表現を探す
「同じことが、もっと少ない字数で書けないか」と、考える習慣をつけてください。
原文もう1つ注意しなくてはいけないことがある。改善案もう1つ注意すべきことがある。原文私の交通手段は、ほとんど電車で済ますことができている。電車を利用すれば、都内で行けない所はほとんどないように思われる。改善案私は、都内ならどこへでも電車で出かける。それで行けない所はほとんどない。「ほとんど」と「電車」が2度ずつ登場するのは、重複です。
「交通手段」「済ますことができている」「ように思われる」などは冗長です。改善案は、ほぼ40%文字が減っています。
1つ目、2つ目の例文とも、原文のような文章をよく書いている気がしたので引用してみました。
原文のような文章を書いて「なんか長いな…」と感じることは多々あります。
ですが、改善案のようなスッキリした文章がすぐに浮かばないんですよね…悲しいことに。
また、1つ前の引用でも述べたように、短く端的な文に少し冷たい印象を持ってしまうことがあります。
その影響もあるかもしれません。
原文と改善案を並べると、改善案の方がスッキリしていて読みやすいのは間違いないです。
ですが、改善案のような文章がなかなか浮かばず、アレコレ悩んだ末に原文のような文章で進めてしまうことが多いです。
スッキリした文章を書けるようになるには、引用にもあるように「同じことが、もっと少ない字数で書けないか」と考える習慣を身に付けるしかなさそうです。
それをやると文章を書くのに時間が掛かりそうですけど。
動詞をシンプルにする
「学ぶ」と動詞1語で書く代わりに、「学びを受け取る」と名詞+動詞に分解するのが最近の流行ですが、冗長になる嫌いがあります。前項の冒頭の「内定出しを行う」も、その類です。
原文ただ今、ダイヤ乱れが発生しております。改善案ただ今、ダイヤが乱れております。原文JR各線、雪の影響のため、ダイヤ乱れで運転中。改善案JR各線は、雪のためダイヤが乱れています。両方とも「乱れる」が適切です。
「雪の影響のため」は「雪のため」で足ります。原文ペットを一時お預かりという形で対応させていただきます。改善案ペットを一時お預かりします。「形」「対応」などの言葉を足して2倍の文字数を費やすのは、感心しません。
またしても原文のような文章を書いてしまっている気がしたので、引用してみました。
特に仕事で顧客先にメールを送る時に、文章が妙に長くなってしまいます。
イメージとしては、ペットの例文(原文)に近いです。
顧客先に送るメールなので、社内のチャット・メールと比べると丁寧に書こうとします。
丁寧に書こうとした結果、何故か文量が多くなってしまいます。
「丁寧=長い文章」というのもおかしな話で、短く端的な文章でも丁寧さは伝わるはず。
丁寧に書くこと自体は良いのですが、結果的に読み手(顧客先)の負荷を上げないように気を付けたいと思います。
自分に限らず、ペットの例文(原文)のような文章はよく見かけます。
憶測になりますが、顧客対応の中でこういった妙な文章変化が進んでしまったのかなと思います。
おわりに
ということで「文章力を伸ばす(中編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 削れる言葉は思い切って削る
- より短い表現を探す
- 動詞をシンプルにする
の3つでした。
今回の引用に対する感想は、「短い表現」「シンプルな文章」を意識してみました。
ですが、意外と難しかったです。
少しずつ慣らしていこうと思います。
「文章力を伸ばす」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『文章力を伸ばす』[前編]
- 【感想】『文章力を伸ばす』[中編] ← 今回の記事
- 【感想】『文章力を伸ばす』[後編]
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