「ビジネス文章力の基本」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は後編です。
前編、中編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
10年間、部下の文章を添削しつづけた著者が教える「超」実用的なビジネス文章術。
「いつも上司にダメ出しされる」
「部下の書く文章が使えない。何度言っても直らない」
多くのビジネスマンが、そんな悩みを抱えています。
では「使える」「一発OKになる」文章にするには、どうすればいいのでしょうか?じつはそんなに難しいことではありません。
「短く単純に書く」「形式にはめる」「読み手に予測させる」
この3つのキーワードを頭において書くだけです。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
いくつか引用と感想
読点(、)は2行に最低1か所はつける
読点は、適切な頻度でつけましょう。多すぎても、少なすぎても、文章が読みにくくなります。
1文の中に、読点を打つ数や頻度にはっきりとした決まりはありません。
しかし、読点がまったくないと、読みにくい文になります。読点がない顧客情報を全社で一元管理すれば部門間で顧客情報が重複することが防げる。また部門間で同一の顧客情報を活用することが可能になり営業活動の効率化につながる。かといって読点が多すぎても、意味をつかみにくい文になってしまいます。
読点が多すぎる顧客情報を全社で、一元管理すれば、部門間で、顧客情報が、重複することが防げる。また、部門間で、同一の顧客情報を活用することが、可能になり、営業活動の効率化につながる。目安としては、1文が40字を超えるときは、最低でも1か所は読点を打つといいでしょう。意味の固まりを意識できるので、文章が読みやすくなります。
改善顧客情報を全社で一元管理すれば、部門間で顧客情報が重複することが防げる。また、部門間で同一の顧客情報を活用することが可能になり、営業活動の効率化につながる。違う言い方をすると、読点は文の固まりを示す箇所に打ちます。
つまり、読点という「形式」にはめることによって、文を読みやすくするのです。読点のもう1つのメリットは、余白ができることです。読点が適度にある文章は、読み手の目にやさしい印象になります。
読点は多すぎても、少なすぎても読みにくい気がします。
なので読点の数には常に意識が向いているはずなのですが、意外と悩ましい。
読点の数を調整しているうちに徐々にベストな数が分からなくなり、途中で面倒になってきたりもします。
読点を1つ増やして読み直して違和感あり、読点を1つ減らして読み直して違和感あり、少し表現を変えてみても違和感あり、結局は最初に書いていた文章が一番違和感ない気もして無駄な時間に…みたいなこともけっこうあります。
考えすぎても良くないんでしょうし、そこに時間を掛け過ぎても良くない気もします。
今回の引用に書かれている例文は分かりやすいですね。
極端な例にも感じるのですが、「読点がない」の例文のように書く人を見かけます。
そして、「読点が多すぎる」の例文のように書く人も見かけます。
たまに見かける程度ではありますが、一定数いる印象です。
読点が多すぎても少なすぎても、一応読めます。
ですがやはり、ちょっと読みにくいんですよね。
「読点は文のかたまりを示す箇所に打ちます。」
このルールを意識してみようかなと思います。
結局、悩みそうな気もしますが。
安易に「が」を使わない
「が」を使うと、文と文を自然につなぐことができます。だからといって安易に使うと、いたずらに長い1文になってしまいます。
「・・・が」の「が」には、文と文をしっくりつないでくれる便利な機能があります。
この機能を使って、複数の文をつないでいる文章がよくあります。そして、そのうちの多くは、「が」でつながずに2つの文に分けても、何ら意味の変わらない文章です。原文当初はさほど期待されていないプロジェクトだったが、いまでは有望な新規事業の1つである。↓
改善当初はさほど期待されていないプロジェクトだった。いまでは有望な新規事業の1つである。
当初はさほど期待されていないプロジェクトだった。それが、いまでは有望な新規事業の1つである。(中略)
「が」は多義的な助詞ですが、文と文をつなぐ接続助詞として使うときには、2つの働きがあります。
①単純な接続 例:青信号ですが、渡りますか。
②逆接の接続 例:あいにくの天候ですが、試合を決行します。ビジネス文章においては、②逆接の「が」として使われていることが多く、これによって1文がいたずらに長くなっているケースがあります。
文をつなぐ「が」は、このブログでもけっこうな頻度で使ってしまっている気がします。
「単純な接続」でも「逆説の接続」でも、どちらもけっこうな頻度で使っている気がします。
引用に書かれている例文に関しても、どちらかというと原文に書かれているような「が」の使い方をよくしているな…と。
この原文だとそこまで長く感じないかもしれませんが、もう少し長い文を「が」でつないでしまうと妙に長い文章になってしまうはずです。
また、1文で「が」を何度か使うことで妙に長くなってしまうケースもよく見かけます。
引用でも触れているように、「が」が便利すぎるのかもしれません。
その便利さに頼って、自分も多用してしまっているのかなと。
そして多用してしまうことで、1文がいたずらに長くなってしまっているのかなと。
例文にもあるように、接続語をうまく使えば「が」の使用頻度を減らすことができそうです。
それによって1文1文が短くなるでしょうし、読みやすくなりそうです。
ちょっと意識してみようと思います。
次の展開を予測させる
接続語には、その後に続く1文に何が書いてあるかを読み手に予測させる機能があります。
接続語が適切に使われていると、読み手は接続語をたどるだけで、その文章の論理の展開がわかります。また、接続語を手がかりにして、次に書いてある文の内容を予測することができます。
「したがって」という接続語があれば、次に結論がくることを予測できます。
「しかし」や「ただし」という接続語があれば、次に例外がくることが予測できます。あるいは、前文の内容を否定した書き手の主張が書かれていると予測できます。
読み手に予測させることは、優れたビジネス文章を書くための重要なキーワードの1つです。ところが、接続語を効果的に使っているビジネス文章は、あまり多くないというのが筆者の率直な感想です。意識して多めに使うぐらいで、ちょうどいいでしょう。
「1文が短い」
「読み手に予測させる」こうしたビジネス文章を書くために、接続語を上手に使うことを心がけてください。
もうワンポイント!接続語で読むべきポイントがわかる
文章の論理展開を明らかにし、読み手に次にくる内容を予測させる接続語は、多忙な読み手にとって誠にありがたい存在です。
接続語をヒントに、途中を飛ばして大事なところをピックアップし、そこだけを集中的に読むことができるからです。
引用の「接続語で読むべきポイントがわかる」という部分を読んで、以前の記事で引用した「流し読み大歓迎」の内容を思い出しました。
上記の引用では流し読みを歓迎するためには「見出し」が重要になってくると書いてあります。
それに加えて、今回の引用に書かれている接続語の存在も重要そうですね。
見出しは接続語と比べると、もう少し大きな文のかたまりに対して効果が大きそうな気がします。
そういう意味では見出しと接続語で効果の範囲が違ってきそうですが、どちらも流し読みを歓迎できそうです。
その結果、読み手の負担を減らすことができそうです。
できれば精読してほしいところですが、見出しや接続語によって文章にメリハリがつくと思いますし、「書き手がどこを伝えたいか」も分かりやすくなるかなと思います。
おわりに
ということで「ビジネス文章力の基本(後編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 読点(、)は2行に最低1か所はつける
- 安易に「が」を使わない
- 次の展開を予測させる
の3つでした。
文をつなぐ「が」は、かなりの頻度で使ってしまっている気がします。
「安易に」とあるので、別に使っても良いとは思います。
ですがやはり、便利すぎて使う頻度が多くなりすぎてしまうんですよね。
「が」でつなげてしまって妙に文が長くなってしまう場合は、接続語を使って1文1文を短めに。
「が」を使う頻度を少し減らすことを意識してみようと思います。
「ビジネス文章力の基本」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『ビジネス文章力の基本』[前編]
- 【感想】『ビジネス文章力の基本』[中編]
- 【感想】『ビジネス文章力の基本』[後編] ← 今回の記事
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