「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」こちらの本、読みました。
文章術関連の本は今回で6冊目です。
これまでの読書感想は、この記事の最後に関連記事としてリンクしておきます。
なお、本書の読書感想は「前編」「中編」「後編」の3つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
「書けないカギは書く前にあり」。毎月3,000本以上の記事を配信し続けるカルチャーニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、一般向けに解説する初めての書籍です。通称「唐木ゼミ」と呼ばれる社内勉強会で新人育成を担当する著者が、「悩まず書くためにプラモデルを準備する」「事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げる」など独特の概念を通じて、文章を構造的に書くための方法をわかりやすく教えます。文章の具体的な改善ポイントも解説。企画書、報告書、レポート、ブログ、SNSなどあらゆる文章に有効です。
こんな感じの本です。
ナタリーの記事はよく読みます。
ご存じない人は少ないと思いますが、一応リンクしておきます。
「マイナタリー」というスマホアプリも使っています。
気になる芸人やミュージシャンをフォローすると最新ニュースが通知される機能があり、これが便利で重宝しています。
いくつか引用と感想
今回の記事では「第2章 読み返して直す」から、いくつか引用してみます。
推敲の第一歩は重複チェック
重複チェックはマルチスケールで
ひと通り書き終えて、読み返しながら言葉づかいを磨いていくとき、どこからチェックしたらいいか。
ナタリーのゼミでは、同じ単語やフレーズがダブっていないかを確認する、「重複チェック」から始めるように指導しています。第一にもっとも発生率の高いエラーであること、第二には重複チェックをしていくことで、文法の誤りや言葉選びの甘さ、リズムの悪さ、さらには事実誤認や構造の難所といった別レイヤーの問題までがあぶり出されてくるからです。
そのためにも欠かせないのが、「あらゆるスケールでの重複に気付くアンテナ」です。単語の重複はもちろんのこと、文節の重複、文型の重複、段落構造の重複、記事構成の重複と、ミクロかマクロまで、あらゆるスケールで重複を見つけられるようになりましょう。
一度ザっと書きたいことを書いていって、ひと通り書き切ったら読み返して直す。
読み返さない前提でチェックしながら慎重に書いていくよりは、読み返す前提でとりあえずザっと書いてしまう方が効率が良いのかもしれません。
自分もなるべく読み返すようにしています。
一度ザっと書いてから読み返すと、重複している部分はけっこう見つかります。
そんなに注意深く読み返さなくとも、文章に違和感を持つときは重複している部分が目につきます。
見落とす部分もあるかもしれませんが、読み返すだけで意外と重複は見つけることが出来るかなと思います。
2連は黄色信号、3連はアウト
重複の一例として、ここでは単語レベルのダブりを見てみましょう。「の」の連続は、いまどきワープロソフトでも指摘してくれる典型的な単語レベルの重複です。
×私のおばさんの三女の会社の社長は有名人です。○私のおばさんの三女が勤めている会社の社長は有名人です。ダブりは少ないほうが望ましいですが、2連続までは許容できるケースも少なくないのが現実。3連続を超えると、誰が読んでもくどく感じられるものです。絶対のルールではありませんが、おおむね「2連は黄色信号、3連はアウト」と覚えてください。
「の」の連続はよくありますね。
「2連は黄色信号、3連はアウト」という感覚も一致しています。
2連くらいは許容できますが、3連はくどく感じます。
ザっと書いている時は「の」が連続してしまうことはよくあります。
ただ、ザっと書いた後に忘れずに読み返すことができていれば、「の」の連続には気付きやすいかなと思います。
気付いた後に直す際も、「の」の連続は割と簡単に直せる印象です。
これまでこのブログで書いた文章にも「の」の連続があるんじゃ…と心配になってきましたが、おそらくそんなにないはず(たぶん)。
基本忘れずに読み返しているので、「の」の3連続以上はそこまでないはず。
文節レベルの重複を解消する
単語レベルよりひとつスケールアップして、文節レベルの重複を見ていきましょう。たとえば会話文で起きやすいこんな重複です。
×朝起きたらまずストレッチをして、すると体が軽くなって、あれってもしかしてこういうことだったのかと気付いて。○朝起きたらまずストレッチをし、すると体が軽くなって、あれってもしかしてこういうことだったのかと気付いたんです。読点を呼び込む動詞は連用形と決まっているため重複するのは当然なのですが、「~って(して)」と、3つとも「て」終わりになってしまいました。こういうときは動詞の選び方を変えたり助詞終わりにしたりと、散らす工夫をしてみましょう。
改善文では、最初の「して」の「て」を削り、最後の「気付いて」に語尾を追加して「気付いたんです」としました。「て」の重複を解消するだけで、話し言葉の印象はそのままに、文章としてずいぶん読みやすい一文になったのではないでしょうか。
自分が改善前の文章を読んだ場合も、きっと違和感を持つはず。
改善前の文章には個人的にリズムの良さも感じますが、文章として読むとちょっと違和感があります。
引用にもあるように、改善文は「話し言葉の印象はそのままに」読みやすくなりました。
ただ仕事上のメールで考えた場合、そもそも話し言葉っぽい書き方をほとんどしない気もします。
チャットだと話し言葉っぽい書き方をすることもあるかもしれませんが、チャットの時点で割とフランクな雰囲気なので許容できる範囲は広めかなと。
なので仕事上で書く文章に関しては、あまり気にする必要はないかもしれません。
文末のバリエーションに気を配る
×イベント企画について会議をしました。予算の条件が見合わず紛糾しました。結論は来週に持ち越すことにしました。○イベント企画について会議をしました。予算の条件が見合わず紛糾しています。結論は来週に持ち越すことになりました。文節レベルの重複でいちばん気を付けたいのが、文末の重複です。原文では文末に「しました」が3回も続いており、小学生の作文のような印象になっています。そこで改善文では2つ目を現在形に変え、3つ目は言い換えることで単調さを緩和しました。
これも改善前の文章を読んだ場合、きっと違和感を持つはず。
例文は1文1文が短いのですぐに気付けますが、1文1文が長くなってくると気付きにくくなりそうです。
俯瞰した目線で見ると気付きやすくなるのかなと。
引用でも触れているように、「しました」が3回も続くと小学生の作文のような印象になりますね。
今回の改善前のような文章は、仕事上のメールやチャットでもやってしまう気がしました。
文章でしっかり意図を伝えて、認識違いを発生させないことが最優先ではありますが、文体から変な印象を持たれない工夫も大事だなと。
うっかり文末を重複させてしまって、小学生の作文のような印象を与えてしまうのは避けたいなと思いました。
忘れずに読み返せれば、文末の違和感に気付いて修正できる…はず。
おわりに
ということで「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 推敲の第一歩は重複チェック
- 2連は黄色信号、3連はアウト
- 文節レベルの重複を解消する
- 文末のバリエーションに気を配る
の4つでした。
全て重複チェックに関する引用でした。
読み返すのは正直めんどうですが、重複があると少し読みにくくなりますし、印象も悪くなっていく感じがします。
粘り強く読み返す習慣を徹底するしかないのかなと。
「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』[前編] ← 今回の記事
- 【感想】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』[中編]
- 【感想】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』[後編]
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