「文章力の基本」こちらの本、読みました。
文章術関連の本は「文章術のベストセラー100冊のポイントを1冊にまとめてみた。」「文章の鬼100則」「ビジネス文章力の基本」に続いて4冊目です。
なお、本書の読書感想は「前編」「後編」の2つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
ありそうでなかった、「わかりやすく、伝わる文章」を書くための基本。
「文章を書く機会」は仕事上はもちろん、メールやブログなど生活上避けて通れません。
にもかかわらず、文章力の有無によって評価されるという事実は、あまり意識されていません。また、「話し方の基本」について書かれた本はたくさんありますが、「書き方の基本」を教えてくれる本も多くはありません。そこで本書は、「ムダなく、短く、スッキリ」書いて、「誤解なく、正確に、スラスラ」伝わる文章力の基本を、難しい文法用語を使わずに解説します。
こんな感じの本です。
上記の引用に、
「書き方の基本」を教えてくれる本も多くはありません。
とあります。
今となっては書き方の基本を教えてくれる本はたくさんある気がしますが、本書が発売された当時(2009年)は意外と珍しかったのかもしれません。
いくつか引用と感想
短く言い切る勇気を持つ
不用意に、長く、長く書かないようにすること、それが明快な章を書くために第一に留意すべき点です。思いきって句点(。)を打ち、話を1つひとつ言い切りながら、前に進めましょう。
次の例を、網かけ部分に注意して読んでみてください。
原文最近、あるコンビニは、店舗内で焼き上げたパンの販売を始め、自然志向・健康志向の製品を中心とした品ぞろえは、従来のコンビニとは一線を画したものであり、20代、30代の女性をターゲットに新機軸を打ち出している。↓
改善最近、あるコンビニは、店舗内で焼き上げたパンの販売を始めた。自然志向・健康志向の製品を中心とした品ぞろえは、従来のコンビニとは一線を画している。20代、30代の女性をターゲットに、新機軸を打ち出している。
自分も妙に長く続く文章をよく書いてしまっている気がしたので、引用してみました。
今回引用した原文と改善を見比べた時に、やはり改善の方が明快な文章に感じます。
自分がこれまで書いた文章でも、句点で終われば良いはずのところを読点でつなげて妙に長くなってしまっている文章はたくさんあるはず。
とはいえ、ブログで書く文章はある程度自由でも別に良いと思っています。
どちらかというと明快さが求められるのは仕事上の文章かなと。
まずは仕事で書く文章から、句点で言い切る文章をもう少し意識してみようと思います。
幹を1本1本立てていく
文章には幹があり、そこに枝葉が付いています。枝葉ばかりが見えて、幹がなかなか見えない文章は、明快な文章とは言えません。
たとえば、「彼は、彼女に結婚を申し込んだ」というのが文章の幹で、「いつ、どこで、どのような言葉を使って、どのような状況で(たとえば雪の降る夜に)・・・」というような描写が、枝葉なのです。
言い換えますと、5W1H―――Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのようにして)―――のうち、まずは「Who(誰)」と「What(何)」に絞って、述語との関係(どうしたのか)を明確に読者に示すべきなのです。それが、文章の幹です。
原文私の目が悪くなったのは、父が大好きなテレビゲームのやり過ぎが原因だ。
これは短い文ではありますが、「私が」という話と、「父が」という話が同時に語られているので、読む人は一瞬考えねばなりません。これを次のように書き換えると、読むそばからスラスラ分かる文章になります。
改善私の目が悪くなったのは、テレビゲームをやり過ぎたからだ。元々父がテレビゲームが大好きだった。それに私が影響されたのだ。つまり、「(テレビゲームのために)私の目が悪くなった」「父がテレビゲームが好きだった」「私は父に影響された」という3本の幹に分けたのです。そうすれば、どの幹もはっきり見えます。
1つ前の引用と同様に、これに関しても幹がうまく分けれていない文章をたまに書いてしまっている気がします。
原文はたしかに、一瞬考えないといけない文章ですね。
1文にいくつかの要素が混在していて、読みにくく感じます。
書いてる本人からしたら「誰の目が悪くなったのか」「誰が誰に影響されたのか」といった部分は明確です。
それを1文で書こうとしてしまう流れもなんとなく分かります。
ですが、文意を理解するのに少し時間がかかる1文かなと。
それに対して改善文は、原文と比べると長くなっています。
長くなっているものの、こちらの方が原文より明快な文章なことは間違いないですね。
文意を理解するまでの時間なら、こちらの方が早いかもしれません。
原文のような文章は、たまに見かけます。
そして自分も、たまに書いてしまっている気がします。
これは読み手を意識しきれていなかったことが主な原因なのかなと思いました。
一度書いたあとに読み手を想像しながら読み直すと、原文のような文章の読みにくさに気付けるのではないかなと思いました。
読みにくさに気付けたら、あとは混在しているはずの幹を分けて文章を構成すると良くなるはず。
自分もこれから意識してみます。
読み手に頭を使わせない
文章は、「最後まで読んで考えれば、分かるはずだ」ではいけません。「考えなくても、読むそばからスラスラ分かる文章」が、いい文章です。
読むときには頭を使って当然だと思うかもしれませんが、それは書かれたことが分かった後の話なのです。文章を読むことは、単に他人の思想の後をたどる受身の作業ではありません。読むことによってあれこれ思いがふくらみ、自分の考えが展開するきっかけを与えてくれるものです。それが文章を読むことの楽しさです。
その段階では大いに頭(想像力、創造性)を働かせたいものですが、そこに至る以前に、つまり書かれた言葉の意味を理解するためには、頭を使いたくないものです。ましてや、「何を言いたいのか分からない」と思って、何度も読み返し頭を悩ますのは、ただ腹立たしいだけです。
「最後まで読んで考えれば、分かるはずだ」といった考え方は、少し読み手に甘えてしまっている感じがあります。
これは以前の記事で引用した、以下の内容と似ている感じがしました。
上記リンクの引用では、
書き手自身が読んで「少しわかりにくいかな」と感じるとしたら、それは読み手にとって、致命的にわかりにくい文章です。
と書いてあります。
書き手自身が「少しわかりにくい」と感じていても、時間が無い時は文章を直さずにそのまま進めてしまうことがあります。
これも読み手に甘えてしまっている状態かなと思います。
もちろん1文1文を練っている時間が無い時もあるとは思いますが、こういった読み手の負担を下げる(頭を使わせない)心構えは常に持っておきたいなと思いました。
おわりに
ということで「文章力の基本(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 短く言い切る勇気を持つ
- 幹を1本1本立てていく
- 読み手に頭を使わせない
の3つでした。
「読み手に頭を使わせない」が印象的でした。
引用した部分の最後は、
何度も読み返し頭を悩ますのは、ただ腹立たしいだけです。
となっています。
なかなか手厳しい内容にも感じましたが、読み手に配慮した読みやすい文章を意識することは大切だなと改めて思いました。
次回は「文章力の基本(後編)」としてアレコレ書いていきます。
(追記)
後編の記事を書きました。
こちらも良ければぜひ。
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