「がんばらない生き方大全」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は後編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
本書には、【そんなにがんばらなくとも、しっかりと生きてゆくための心理テクニック】をたっぷりと詰め込みました。どんな人でも、きちんと仕事での業績をあげながら、「がんばらない生き方」を学ぶことができるはずです。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
著者情報
ダイヤモンド・オンラインに、本書の著者である内藤誼人さんのページがあったのでリンクしておきます。
内藤さんの公式ホームページがあったら良かったのですが、なかったため代わりにダイヤモンド・オンラインの著者ページをリンクしました。
上記リンクにプロフィールや、内藤さんが書いた記事が一覧表示されています。
いくつか引用と感想
時間の経過を待つだけ
研究
32歳から56歳までの女性を、7年間にわたって追跡調査しました。彼女たちは、みな自尊心が低く、抑うつ的と診断された女性たちでした。
結果
7年後までずっと抑うつ的と診断された女性・・・4%
抑うつ的ではなくなっていた女性・・・96%ロンドン大学(英国) バーニス・アンドリューズの研究
つまり、どういうこと?
抑うつ的な性格も、時間が経つのをのんびり待っていればそのうち変わる。
解説
ささいなことを気に病んでしまい、いつまでもクヨクヨと嘆いてしまうような人がいるとしましょう。
その人の性格というものは、一生変わらないものなのでしょうか。だとしたら、非常に苦しい人生を歩まざるを得ないということになります。
けれども幸いなことに、事実はそうではありません。
私たちの性格というものは、加齢による変化が起きることがしっかり明らかにされているからです。もし、読者のみなさんがご自分の性格に悩んでいるのだとしても、心配はいりませんよ、と申し上げておきましょう。
だいたい、自尊心が低くて、抑うつ的であったとしても、バーニス・アンドリューズによれば、それは一過性の状態にすぎません。私たちの自己評価は、人生のさまざまな出来事によってどんどん変化するのであり、ずっとそのまま、というわけでもないのです。なんとも心強いデータではありませんか。(中略)
結論
ある程度の年齢になると、小さなことなど何も気にならなくなる。それを楽しみに待つ。
今回の引用は、以前の記事で引用した「いまの悩みは年をとれば消えると考える」に近いニュアンスを感じました。
研究データは異なるものの、結論が似通っているなと。
せっかくなので、リンクしておきます(本書と同じ著者です)。
自分も仕事が忙しい時期は、メンタル的にもしんどい時期でした。
その時期は忙しさの影響で視野も狭くなっていたでしょうし、しんどい時期がいつまで続くかの予想も出来ていなかった状況かなと思います。
当時のことを明確に思い出せませんが、忙しさが落ち着くにつれメンタル的なしんどさも減っていたような記憶があります。
上記のようなメンタルのしんどさは仕事の忙しさの影響が大きそうですが、今後も様々な要素が絡まってメンタルがしんどくなる時期が来るかもしれません。
そんな時期でも「いずれ過ぎ去る」と思えれば、多少なり気が休まるかなと思いました。
実際にメンタルがしんどい時期に突入したら冷静な心持ちに簡単にはなれない気もしますが、なるべく思い出せたら良いなと。
「ながら」をやめるだけ
実験
160名の高校生に課題を出し、課題を終えるのにどれくらい時間がかかったかの記録をつけてもらいました。高校生たちには、いろいろな「ながら勉強」をしてもらい、それぞれの条件ごとに、課題を終えるのにかかった平均時間を測りました。
結果
結果は以下の通りです。
条件 かかった時間 メロドラマを見ながら 40.43分 ミュージックビデオを見ながら 35.03分 ラジオを聴きながら 36.05分 「ながら」をしない 33.08分 テレビを見ながら、ミュージックビデオを見ながら、ラジオを聴きながら課題をやろうとすると、それだけ時間がかかることが一目瞭然です。課題にもっとも集中できて、もっとも早く終わらせることができるのは、「ながら」をしないことでした。
ライデン大学(オランダ最古の大学) マリナ・ブールの実験
つまり、どういうこと?
音楽を聴きながら、テレビを見ながら勉強すると、集中力は落ちる。
解説
音楽は集中力を高めますが、それでは、勉強中あるいは作業中にも音楽を流しっぱなしにするのはどうでしょうか。ひょっとすると、ずっと集中力が維持されたりするのでしょうか。
いえいえ、そういうことには残念ながらなりません。
むしろ集中力は落ちます。(中略)
結論
「ながら勉強」「ながら作業」は、心理学的にはあまりおススメのやり方ではない。
今回の実験結果を見て、「ながらでも別に良いかな」と思ってしまいました。
著者の意図してることと異なるかもしれませんが、ながらを「する/しない」でそこまで大きな差を個人的に感じませんでした。
自分の場合、ラジオを聴きながら仕事をしたり勉強したりすることが多いです。
今回の実験結果で見比べてみると、
- 「ながら」をしない:33.08分
- ラジオを聴きながら:36.05分
です。
3分くらいしか差がありません。
今回の実験に書かれている課題がどんなものかは分かりませんが、このくらいの差なら「ながらでも別に良いかな」と。
自分の感覚としても、ラジオを聴きながらでも作業効率が下がっている感覚はあまりありません。
集中し始めるとラジオの内容は入ってこなくなりますし、ラジオの音量自体もかなり小さくしています。
そんな状況でのながら作業なので、そこまで問題なさそうだなと思いました。
そもそもシーンとしてる環境がちょっと苦手なので、ラジオを聴きながらのスタンスは変えずにいこうかなと思いました。
お守りを持つだけ
研究
サッカー、バレーボール、ホッケーなどの、オランダのトップ選手197名を対象に、迷信行動を調べてみました。
結果
大切な試合の前に必ず迷信行動をとっていたトップ選手・・・80.3%
トップ選手がとっていた迷信行動の数・・・平均2.6個エラスムス大学(オランダ) マイケラ・シッパーズの研究
つまり、どういうこと?
「これは効く」と本人が信じていれば、本当に効果が出てしまう。
解説
強い心を持ちたいのであれば、「お守り」を持つといいですよ。「何だよ、非科学的だな」と言われてしまいそうですが、雑誌の広告ページなどによくある、何とかストーンとかの怪しげなお守りではありません。
神社などで売っている、ごく普通のお守りです。1個数百円くらいのお守りでも、十分にご利益はあります。
本書は、科学的な研究をご紹介する本ですが、お守りを持ち歩くなどの迷信行動に、まったく何の効果もないのかといえば、そんなことはありません。「信じるものは救われる」という言葉もあります。
前述の研究で、なぜ8割もの選手が迷信行動をとっているのかといえば、それはもちろん、効果があるからに決まっています。「なんだよ。こんなの効果なんてないな」ということなら、8割もの選手が迷信行動をとるわけがありません。(中略)
結論
迷信行動で実力以上の力を発揮できるのなら、やったほうがいい。
迷信行動をとっている人が意外と多いなと思い、引用してみました。
一般の人と比べたらアスリートは特に多いような気もしますが、それを割り引いたとしてもけっこう多いのかなと。
自分の場合の緊張するシチュエーションは、「新しい顧客先に初めて伺う」「プレゼン」「新しいシステムのリリース日」などでしょうか。
自分もよく考えると、そういった緊張するシチュエーションで迷信行動をとっていました。
自分には大事な日にほぼ確実に聴く曲というのがあり、それを通勤時に聴いたりしていました。
その曲を聴いたからといって、パフォーマンスが上がったりはきっとしないはず。
その曲のおかげでうまくいった、ということもきっとないはず。
でもその曲を聴くと気合が入るため、なんだかんだこの儀式的な行動は続いています。
もしその曲を聴かないとなったら、若干の気持ち悪さが残ってしまう気がします。
そういった意味ではなんだか縛られている状態でもあるのですが、きっと何かしらの効果を発揮しているのかなと。
おわりに
ということで「がんばらない生き方大全(後編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 時間の経過を待つだけ
- 「ながら」をやめるだけ
- お守りを持つだけ
の3つでした。
「時間の経過を待つだけ」が印象的で、「7年後までずっと抑うつ的と診断された女性」がたったの4%というのが意外でした。
1年後ならどのくらい減るんだろうとか、年別の減り方も気になるところです。
とはいえ、「時間が経てばいずれ過ぎ去る」は覚えておいて損はなさそうだなと思いました。
前編の記事、改めてもう一度貼っておきます。
こちらも良ければぜひ。
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