みやもとブログ

好きなものの感想などを書いています。読書、ラジオなど。

目次
目次

【感想】『ビジネス心理学の成功法則100を1冊にまとめてみました』[後編] 相手の仕事を中断させても声をかけるメリット

この記事をシェアする

「ビジネス心理学の成功法則100を1冊にまとめてみました(後編)」を読んだ感想の続きを書いていきます。

ビジネス心理学の成功法則100を1冊にまとめてみました

今回は後編です。

前編の記事はこちらです。

関連記事

それではサクッと本題へ。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

組織心理学、経営心理学、経済心理学、広告心理学、消費者心理学、産業心理学など、ビジネスに関する世界最先端の心理学研究100本のエッセンスを1冊に凝縮!「イエス」と言いやすくする交渉の裏ワザ、買いたくなる商品の仕掛け、口下手でもうまくいくプレゼンのコツなどなど。“科学的に正しい”人を動かす方法をビジネス心理学の第一人者が伝授。

こんな感じの本です。

ここは前回の記事と同様です。

著者情報

ダイヤモンド・オンラインに、本書の著者である内藤誼人さんのページがあったのでリンクしておきます。

diamond.jp

内藤さんの公式ホームページがあったら良かったのですが、なかったため代わりにダイヤモンド・オンラインの著者ページをリンクしました。

上記リンクにプロフィールや、内藤さんが書いた記事が一覧表示されています。

いくつか引用と感想

相手の仕事を中断させても声をかけるメリット

「○○さんに聞きたいことがあるんだけど、忙しそうだなあ・・・」
「今、声をかけるのは邪魔かなあ・・・」
「どうしよう、確認しておきたいけど、後のほうがいいのかなあ・・・」
このように、他人に声をかけづらいときがあります。特に、相手が真剣な顔をして仕事に取り組んでいるときなど、声をかけるのをためらってしまうのがほとんどだと思います。
けれども、心理学のデータを見ると、「声をかけたほうがいいよ」ということが明らかにされています。相手の邪魔をしても、大丈夫なのだというのです。
ミネソタ大学のメリー・ゼルマー・ブルーンは、医薬品産業で働く、3つの企業の48チームについて調査を行ってみました。
相手の仕事を中断させて、質問をしたり、意見を言ったりすることは、はたして有効なのかそうでないのかを調べるのが目的です。
細かいお話は抜きにして、結果はどうなったのかというと、「邪魔をしてもOK」という明確な結論が導かれました。なぜかというと、たとえ相手にとっては仕事の邪魔になっても、それによって間違いを未然に予防できたり、お互いに新しい知識や手順を習得できたりするからです。

「些細なことを確認すべきか」「声をかけるべきか」と迷うことは、よくあります。

結果として「些細なことだし後で良いか」となり、そのまま声をかけないことが多いです。
そして「後で良いか」としたのに、結局その件に関して声をかけることは一度もなく…といった流れになりがちです。

今回の引用は、そういったタイプの人間が声をかけるか迷った時に少しだけ背中を押してくれそうな内容で良いなと。

ただ「邪魔をしてもOK」という文言だけ受け取って、どんどん些細なことをノーブレーキで提案したり確認したりするのは良くないよなぁとも思ったり。

元々声をかけるのにあまり抵抗が無い人が、より声かけが増えるのはあんまりかな…と。
それだとちょっと過度なコミュニケーションな気がします。

そういった声かけに迷うタイプの人が、提案したり確認したりする頻度が少しだけ増えるだけで充分な気がします。

インフラ計画は、世界的に予算オーバー率100%

人間なら、だれでも失敗したら、次は失敗しないようにしよう、と思うのが普通ですよね。ところが、何度失敗をくり返しても、その失敗からまったく学ぶことをしない業界があると聞いたら、読者のみなさんも驚くのではないでしょうか。
デンマークにあるオールボー大学のベント・フライバーグは、世界五大陸20か国のインフラ計画258件を分析してみたことがあります。調べたのは、当初の予算をオーバーするかどうか。
びっくりすることに、予算オーバーはフライバーグが調べた258件中258件で見られました。予算オーバー率は、驚異の100%(笑)。いやあ、なかなか100%という数値はお目にかかれませんよ。
しかも、フライバーグは70年間にわたるインフラ計画を調べたのですが、予算オーバーはまったく減少していないことも突き止めました。つまり、70年間で、反省も、学習もなされていなかったのです。
すべてのインフラ計画では予算オーバーが見られるのですが、細かく見ていくと、道路の予算オーバーは20%で、橋・トンネルでの予算オーバーは34%、鉄道が45%といった違いはあります。

自分も工数見積をちょくちょくするので、今回の引用は興味深かったです。
最初の見積をオーバーすることも、よくあります。
引用にあるインフラ計画と、自分が見積するシステム開発計画では毛色が異なるかもしれませんが。

見積時点では必要な作業を漏れなく洗い出したつもりでも、計画が進むにつれて想定外の作業が発生するのはよくあることです。
よくあることなので、見積時点でバッファを持たせたりもします。
ですが、結局そのバッファも消費しきってオーバーしてしまうことが多いんですよね…難しい。

引用すると長くなってしまうので割愛したのですが、規模が大きければ大きいほどオーバーが膨らんでしまうそうです。それにも納得です。
こちらもそれを想定してバッファを多めに持たせるようにするのですが、やはりそのバッファを消費しきってオーバーしてしまうことが多いんですよね…。

じゃあバッファを特盛にすれば…となるのですが、顧客先で使用するシステム開発だったりするわけで、あきらかに多く感じる見積を提出するわけにもいかず。

結局は、思い浮かぶ限りの必要な作業を全て洗い出し、「これだけの作業が発生するので、これだけの金額が必要です。」に納得感のある見積(金額)に着地するわけです。難しい。

「楽観的な人は成功する」は本当か

マーティン・セリグマンという超有名な心理学者の書いた『オプティミストはなぜ成功するか』(講談社)という本があります。
オプティミスト、すなわち、「物事を楽観的に考える人」ほど、ビジネスであれ、政治家であれ、アスリートであれ、研究職であれ、成功しやすいというのです。すごいですね。
書店のビジネス書コーナーに行きますと、「明るく考えよう」「前向きな考えをしよう」という感じのタイトルの本は、いくらでも見つけることができます。
けれども、本当に楽観的に考えているだけで、万事がうまくいってしまうものなのでしょか。
米国テキサス・クリスチャン大学のキース・ヒミーレスキは、ベンチャー起業家、男性163名、女性38名(平均52歳)にお願いして、楽観主義かどうかを測定する心理テストを受けてもらいました。なお、彼らは、米国の40の州で114の職種の仕事をしています。さまざまな業種からベンチャー起業家を集めたのですね。
ヒミーレスキは、起業家たちに心理テストを受けてもらう一方で、ここ2年間の自社の収益の伸びと、従業員数の増加についても教えてもらいました。
すると、驚くべきことがわかりました。「オプティミストほど成功する」どころか、むしろ逆に、「オプティミストベンチャー起業家の会社ほど、業績は悪い」ということがわかったのです。

自分はどちらかというと悲観的な人間なので、楽観的になろうと頑張ったことが過去に何度かあります。ですが結局、悲観的なままです。
もちろん楽観的に考えるシチュエーションもありますが、ベースは悲観的です。

今回の引用は、「楽観的になれば良いってもんじゃない」というニュアンスを感じました。
引用が長くなってしまうので割愛しましたが、悲観的なことのメリットが書かれている部分もあり、悲観的な性格を肯定されている感じがして良いなと。

とはいえ悲観的すぎるのもなんだか良くないですし、引用にもあるように楽観的すぎるのも良くなさそうです。

結局は楽観・悲観の両方を持ち合わせている状態が良いのかなと。
誰しもが両方持ち合わせているとは思いますが、楽観と悲観をうまいこと行き来して、極端すぎないことが良いのかなと。

もしくは、組織であれば楽観タイプと悲観タイプの人がそれぞれ補え合えれば良いのかなと。

楽観・悲観それぞれに良いところがありますし、悲観的な人(自分含む)が無理に楽観的になろうとする必要はないのかもなと思いました。
ただ、楽観的な人が悲観的になろうとすることはあまりなさそう。(偏見ですが)

おわりに

ということで「ビジネス心理学の成功法則100を1冊にまとめてみました(後編)」として書いてみました。

今回の記事で引用したのは

  • 相手の仕事を中断させても声をかけるメリット
  • インフラ計画は、世界的に予算オーバー率100%
  • 「楽観的な人は成功する」は本当か

の3つでした。

「相手の仕事を中断させても声をかけるメリット」に関して。

こういった内容は遠慮がちな自分にとって、ありがたい内容です。

引用に「細かいお話は抜きにして」とありましたが、個人的にはもう少し研究データの内容を詳しく書いてほしいなぁと思ったり。

とはいえ、少しだけ背中を押してくれる感じが良かったです。

前編の記事、改めてもう一度貼っておきます。
こちらも良ければぜひ。

miya-moto-blog.hatenablog.com

関連記事

本書の著者、内藤誼人さんの本は他にも読んでいます。
こちらも良ければぜひ。

読書感想リンク

ビジネス心理学の成功法則100を1冊にまとめてみました

世界最先端の研究から生まれた すごいメンタル・ハック

最新科学でわかった「人の心」のトリセツ 世界の心理学者が研究していること

すぐに実践したくなる すごく使える心理学テクニック

がんばらない生き方大全 世界最先端の心理学が教える「無理せずパフォーマンスが上がる」方法

イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本

TOPへ戻る HOMEへ