「がんばらない生き方大全」こちらの本、読みました。
本書の著者、内藤誼人さんの本は今回で5冊目です。
これまでの読書感想は、この記事の最後に関連記事としてリンクしておきます。
なお、本書の読書感想は「前編」「後編」の2つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
本書には、【そんなにがんばらなくとも、しっかりと生きてゆくための心理テクニック】をたっぷりと詰め込みました。どんな人でも、きちんと仕事での業績をあげながら、「がんばらない生き方」を学ぶことができるはずです。
こんな感じの本です。
内藤さんの本は今回で5冊目です。
研究データを交えながらの解説で、分かりやすく納得感があります。
そして本書は、いつも以上に分かりやすい構成になっていました。
1トピック見開き2ページで構成されており、「実験(研究・調査)」「結果」「つまり、どういうこと?」「解説」「結論」といった形で分かりやすく見出しが分けられていました。
著者情報
ダイヤモンド・オンラインに、本書の著者である内藤誼人さんのページがあったのでリンクしておきます。
内藤さんの公式ホームページがあったら良かったのですが、なかったため代わりにダイヤモンド・オンラインの著者ページをリンクしました。
上記リンクにプロフィールや、内藤さんが書いた記事が一覧表示されています。
いくつか引用と感想
心配性だから「準備する」だけ
実験
72名の大学生に、楽観性と悲観性を測定する心理テストを受けてもらってから、「10日後のテストでは、どれくらいの成績がとれそうですか?」と質問してみました。
結果
・悲観的な人
「たぶんテストの成績は悪いだろう」と予想しました。
・楽観的な人
「たぶんテストは高得点」と自信たっぷりでした。ところが、実際にテストをやってみると、悲観的な人のほうが、かえって高い得点をとったのです。
ノースカロライナ大学(米国) ローレンス・サンナの実験
つまり、どういうこと?
悲観的な人は心配でたまらないからしっかり勉強するので、テストで高得点がとれる。
解説
心配性であったり、悲観的に物事を考えたりすることは、決して悪いことではなく、むしろ人間としての美徳です。
心配性の人には、とてもすばらしい特性が備わっています。
それは、将来が心配で心配でしかたがないため、普通の人以上に、しっかりと準備を整えるところです。準備万端にすることで、できるだけ心配をなくそうとするわけです。(中略)
結論
仕事をする上では、少しくらい心配性のほうが、結果としては大きな成果を上げられる。
実験結果は正直、想像通りの内容でした。
自分はどちらかといえば悲観的です。
今回の実験結果からすると悲観的な人は高い得点をとることになるわけですが、そういったことを言いたいわけではなく。
もうじきテストがあるという状況で自分ならどう思うかを想像すると、「たぶんテストは高得点」と思うことはおそらくないかなと。
そう考えると、自分は悲観的な人でほぼ間違いないかなと。
で、自分の悲観的だったり心配性だったりする性格は、正直治したいなと思っています。
ですが今回の引用からすると、「今のままで良いか」とも思えそうだなと。
ただ、過度に悲観的なのは考えものです。
心配性が行き過ぎて、準備に時間をかけ過ぎるのも良くないよなと。
仕事に比重がかかり過ぎて、メンタルが消耗してしまう恐れもあるかなと思いました。
今回の引用の「結論」部分にも「”少しくらい”心配性のほうが」と書かれています。
ある程度の準備と想定はしつつ、ほどほどのところで切り上げるのが理想なのかなと。
「とりあえず試す」だけ
研究
1,846名の献血者を分析しました。
結果
・初めて献血する人・・・献血前に不安や緊張が高まる。
・2回目、3回目の人・・・そんなに緊張しなくなる。
・16回以上献血している人・・・ほとんど何も感じなくなる。ウィスコンシン大学(米国) ジャニー・ピラヴィンの研究
つまり、どういうこと?
最初は献血が怖くて不安でも、慣れてくればまったく怖くなくなる。
解説
私たちは、未経験のことに関しては、だれでも不安になるものです。不安にならないほうがおかしいのです。
自分がやったことのない初めての仕事をするときには、だれでも緊張するでしょう。部署異動などで、まったく未知の仕事をやらされることもあるかもしれません。初めてパワーポイントでスライドを作成する人は、どうせすばらしいスライドなど作れるわけがないのです。
こういうときには、「とりあえず試すだけ」と考えるのがいいでしょう。どうせ最初はうまくなどできるわけがないのですから、最初から完ぺきを目指さないのです。(中略)
結論
未知の仕事の依頼がきたら「とりあえず試してみるか」と気軽に引き受けて、練習台にさせてもらうのがいい。
こちらの研究結果も、想像通りの内容でした。
自分は変化が苦手なので、初めてのことに不安を強く感じてしまう傾向にあります。
これは1つ前の引用の悲観的・心配性に繋がるメンタリティなのかもしれません。
誰しも初めてのことに不安や緊張は強まるとは思うのですが、周りと比べても不安感が強い気がしています。
この不安感がどこから来ているかを想像すると、最初から完ぺきを目指しすぎているのかもなと思います。
これは「初めてのことでも完璧なところまで持っていける」と、自分を過信している可能性も捨てきれません。
仕事で「とりあえず試してみるか」という感覚は軽すぎる気もしますが、多少はその気持ちを持って緊張を緩めることは有効かもなと思いました。
悪いコメントは無視するだけ
実験
・臨床的に抑うつと診断された28名
・自尊心を測定する心理テストで高得点だった20名
・同じ心理テストで自尊心が低かった25名に、さまざまな性格テストを受けてもらい、「悪いコメントとよいコメントの、どちらの結果を知りたいか?」と尋ねてみました。
結果
「悪いコメントの結果を知りたい」と答えた人の割合
・抑うつと診断されたグループ・・・82%
・自尊心が高いグループ・・・25%
・自尊心が低いグループ・・・64%ベイラー大学(アメリカ) ブライアン・ギースラーの実験
つまり、どういうこと?
高い自尊心を維持している人は、自分についての悪いコメントなどを、無視することが多い。
解説
ネットで自分について悪いことを書かれて、悲観して自殺してしまう人がいます。たくさんの人に注目されるタレントにもそういう方がいて、時折、大きなニュースになることもあります。
基本的には、自分自身についての評判ですとか、そういうものに関しては耳を貸してはいけません。
すべて無視してしまうのが正解です。
なぜかというと、他人からの評価をいちいち気にしていたら、気分がヘコむに決まっているからです。(中略)
結論
自分の悪い評判やコメントなどには、なるべく近寄らない。
こちらも想像通りの実験結果でしたが、ユニークな実験だなと思いました。
テレビやラジオでタレントがよく話題にするエゴサですが、たしかにエゴサをする人には自尊心が低そうな人が多い気がします。
ただエゴサの仕方も様々で、2個目のワードに何を入力してエゴサするかで傾向が変わってきそうだなと。
「タレント名 ○○○」の○○○部分に”おもしろい” ”かっこいい” "かわいい”など、ポジティブなワードを入力して、意図的にネガティブなコメントがヒットしないようにしている人は、高い自尊心を維持しているのかなと。
逆に2個目のワードを入力せずにノーガードでエゴサしている人は、自尊心が低めなのかなと。
そういったネガティブなコメントを話のネタにする人もたくさん居そうなので一概には言えませんが、今回の実験結果からそういった想像が膨らみました。
タレントでもないですしエゴサもしない自分にはあまり関係のない実験結果ですが、ユニークな実験だったため引用してみました。
そしてこれはコメントに限った話ではないのかもしれません。
自分にとってポジティブな情報に着目するか、ネガティブな情報に着目するかはメンタルヘルスにおいて割と重要になってくるかなと思いました。
おわりに
ということで「がんばらない生き方大全(前編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 心配性だから「準備する」だけ
- 「とりあえず試す」だけ
- 悪いコメントは無視するだけ
の3つでした。
「悪いコメントは無視するだけ」の実験データが印象的でした。
もし自分がエゴサするとしたら、悪いコメントに着目しそうだな…と思いました。
それを今回の実験データから考えると、メンタルは弱い傾向にあるのかなと改めて。
ポジティブ/ネガティブのどっちの情報に目が行きやすいかは簡単に変えることは出来なさそうですが、ちょっと意識してみようかなと思います。
次回は「がんばらない生き方大全(後編)」としてアレコレ書いていきます。
(追記)
後編の記事を書きました。
こちらも良ければぜひ。
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