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【感想】『イラストでサクッとわかる! 認知バイアス』[後編] 真実性の錯覚:何度も聴いていると真実に思えてくる

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「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス」を読んだ感想の続きを書いていきます。

イラストでサクッとわかる!認知バイアス――誰もが陥る思考の落とし穴80

今回は後編です。

前編、中編の記事はこちらです。

それではサクッと本題へ。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

本書では職場や家庭、人間関係など日常で陥りがちな80の認知バイアスを厳選。6つの場面に分けてイラスト図解やクイズでわかりやすく解説しています。
日常生活の「あるある」からバイアスが起こる仕組みやうまく付き合う方法が楽しく学べる、認知バイアス入門の決定版!

こんな感じの本です。

ここは前回の記事と同様です。

いくつか引用と感想

ネガティビティ・バイアス:いい噂より悪い噂のほうが気になる

人は悪い情報に敏感

ほめられたときの言葉は覚えていなくても、叱られたときの言葉はいつまでも忘れられません。ポジティブな情報よりネガティブな情報に注意を向けやすく、それが記憶にも残る現象を「ネガティビティ・バイアス」と言います。
たとえば、著名人がそれなりに評価される仕事をしても、さほど世間の関心を集めることはありません。しかしスキャンダルや失言があると、一気に世間の関心が高まります。

ネガティビティ・バイアスと加齢の関係

ネガティビティ・バイアスは年をとると変化することがわかっています。実験では、19~21歳の参加者20人と、56~81歳の参加者20人に、「ポジティブな画像」「ネガティブな画像」「中立的な画像」を見てもらい、それぞれの画像を評価しているときの脳の活動を調べました。
その結果、若い参加者ではネガティブな画像のときに脳で強い反応が見られましたが、高齢の参加者ではポジティブな画像もネガティブな画像も同程度の反応しかなく、ネガティビティ・バイアスは見られなかったということです。

「ネガティビティ・バイアス」は以前の記事で一度引用していました。

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自分もニュースを見ていると、明るいニュースより暗いニュースによく目がいく気がします。
しっかりネガティビティ・バイアスが働いているわけですね。

そして自分に限らず、おそらく明るいニュースより暗いニュースの方がアクセスが伸びやすいはず。
そうなるとニュースを取り扱う側も暗いニュースを多めに取り扱うのが自然な流れになるかなと思います。

暗いニュースが多めというのは、なんだかちょっとイヤですね。
そっちの方がアクセスが伸びやすいだろうから、しょうがないんでしょうけど。

ちなみに、高齢になるとネガティビティ・バイアスが薄れるようです。
これは個人的に嬉しい情報です。
ネガティブ気味な自分の現状からしたら、ちょっと未来に期待してしまいます。

せっかくなので「ネガティビティ・バイアス」に関して、参考リンクを貼っておきます。

imidas.jp

www.jumonji-u.ac.jp

三者効果:メディアの情報を鵜呑みにする人って多いよね

三者はメディアの影響を受ける

マスメディアの情報に触れたときに、「自分はメディアの情報に影響されることはないが、他者(第三者)は影響されるだろう」と考えることを、社会学者のフィリップス・デヴィソンは「第三者効果」と名づけました。
この効果を検証するため、デヴィソンは、1978年のニューヨーク市長選挙における報道の影響や、子どもに対するテレビ広告の影響など、4つのトピックについて調査を行いました。自分自身への影響と他者への影響を尋ねたところ、いずれのトピックについても、他者への影響力を高く見積もることがわかりました。同様の傾向は、その後もさまざまなトピックでくり返し確認されています。

結果的に自分の行動も左右される

他者に対してのメディアの影響を過大に捉えることで、結果的に自分の行動が左右されることがあります。
たとえば、「トイレットペーパーがなくなる」というデマが流れていることをニュースで知ると、「それはデマだ」と思っていても、「ほかの人はデマを信じて買い占めるかもしれない。そうなる前に自分も買っておこう」と考え、トイレットペーパーを買いに走るかもしれません。そのため、誰もデマを信じなかったとしても、売り場からトイレットペーパーがなくなるという現象が生じるのです。

親が子供への影響を心配してテレビ等に規制を求める行動にも、この「第三者効果」が働いていそうだなと感じました。
もちろん親と比べたら子供の方が影響を受けやすいのは大前提として、第三者効果により心配にブーストがかかる感じがありそうな気がしました。

そしてトイレットペーパーの件は「たしかに」と思いました。

「自分はデマを信じてるわけではないけど」と思いつつも、結果としてデマを信じている人と同じ行動を取ってしまっているわけですね。

行動だけ見たら、結局デマを信じている人と同じと思われている可能性もありそうですね。
なんだかちょっと悲しいですが、現実としてはそうなってしまいそうです。

せっかくなので「第三者効果」に関して、参考リンクを貼っておきます。

www.jumonji-u.ac.jp

真実性の錯覚:何度も聴いていると真実に思えてくる

「本当だ」と思うのはどんなとき?

真偽が不明の話でも、あちこちで同じ話を聞いているうちに、「どうやら本当らしい」という確信が強まった経験はないでしょうか? その情報が実際に正しいか間違っているかに関係なく、同じ情報にくり返し触れると、その情報が真実であるように感じられることを、「真実性の錯覚」と言います。

くり返し聞くと本当らしく思えるのはナゼ?

ある実験では、参加者に対して、一般常識などに関するもっともらしい60個の情報を聞かせる課題を、2週間おきに3回行いました。聞かせた60個の情報のうち、20個は3回とも同じものでしたが、残りの40個は各回で異なりました。その結果、情報の真偽にかかわらず、くり返し聞かせた情報は、1回しか聞かせていない情報よりも、参加者に、より本当らしいと判断されました。

フェイクニュースを信じてしまうワケ

SNS上には、嘘やデマ、陰謀論、誤情報などの「フェイクニュース」が多く見られます。こうしたフェイクニュースを信じる背景には、真実性の錯覚の影響があると考えられています。フェイクニュースを題材にしたある実験では、フェイクニュースの見出しをくり返し目にするだけで、その見出しの主張を事実だと判断しやすくなることが示されました。見出しに「虚偽の疑いがある」という警告を付けて注意喚起をしても、この傾向は変わりませんでした。

これにはなんとなく身に覚えがありますし、深みにハマると自分自身ではなかなか気付くことが難しくなりそうです。

一度フェイクニュースに惑わされたとしても、それを反論するニュースを多く見ることができれば正気に戻れそうではあります。
ですが、SNSは反論する内容よりも、自分に似た考えの内容が集まってくることが多いでしょうし、正気に戻れずに深みにハマってしまう可能性がありそうです。

引用でも、虚偽の疑いがあると注意喚起しても傾向が変わらなかったとあります。

半信半疑くらいの状態であれば、まだ正気に戻れる可能性が十分にありそうです。
ですが、ガッツリ信じ込んでしまったら、もうなかなか抜け出せなくなってしまいそうです。
そして正気に戻れるタイミングを見失ってしまうこともありそうです。
正直、これはなかなかこわいなと。

せっかくなので「真実性の錯覚」に関して、参考リンクを貼っておきます。

theory.work

www.jumonji-u.ac.jp

おわりに

ということで「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス(後編)」として書いてみました。

今回の記事で引用したのは

  • ネガティビティ・バイアス:いい噂より悪い噂のほうが気になる
  • 三者効果:メディアの情報を鵜呑みにする人って多いよね
  • 真実性の錯覚:何度も聴いていると真実に思えてくる

の3つでした。

「真実性の錯覚」は色々と気を付けないといけないバイアスだなと感じました。
特にSNSとの向き合い方は気を付けた方が良さそうだなと思いました。

今はSNSとライトに向き合っているつもりですが、どっぷりハマってしまいそうな中毒性がありますし、自分も中毒になってしまう可能性は捨てきれないなと。

SNSの内容を真に受けないようにするというか、常に一定の距離感を持っておきたいなと思いました。

ちなみに、前編・中編・後編を通して「錯思コレクション」というサイトのリンクが多くなりました。

www.jumonji-u.ac.jp

引用した認知バイアスの名前(真実性の錯覚など)で検索すると高確率で上位に表示されたのでリンクしたわけなんですが、「妙に多いな…」と思いました。

で、サイト内を色々と巡っていったところ、どうやら本書の監修者4人が制作したサイトのようです。

書籍紹介のページにも本書が載っていますし、「妙に多いのはこういう理由か」と勝手に疑問に思って勝手に納得しました。

www.jumonji-u.ac.jp

「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。

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こちらも良ければぜひ。

読書感想リンク

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情報を正しく選択するための認知バイアス事典

情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編

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