「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は中編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
本書では職場や家庭、人間関係など日常で陥りがちな80の認知バイアスを厳選。6つの場面に分けてイラスト図解やクイズでわかりやすく解説しています。
日常生活の「あるある」からバイアスが起こる仕組みやうまく付き合う方法が楽しく学べる、認知バイアス入門の決定版!
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
いくつか引用と感想
皮肉なリバウンド効果:忘れたいことほど頭から離れない
「考えまい」と思うと、かえって意識してしまう
明日は大事な商談の日。ぐっすり眠るために、そのことは考えないようにしようと思うほど、余計に考えてしまって眠れない・・・。こんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?
ある実験では、最初から「シロクマのことを考えるように」と指示された場合よりも、最初の5分間は「シロクマのことを考えないように」と指示され、次の5分間では「考えるように」と指示された場合のほうが、シロクマのことが次々と頭に思い浮かぶことが示されました。
このように、ある事柄を考えないようにしようと努力すると、一時的にはそれが成功しても、努力をやめたとたんに反動(リバウンド)が起こり、頭の中がその事柄に占拠されることがあります。これを「皮肉なリバウンド効果」と言います。まったく関係のないことを考えてみる
シロクマの実験には続きがあります。「シロクマについて考えないように」と指示する際、一部の参加者には、「もしシロクマのことが頭によぎったら、代わりに赤いフォルクスワーゲンのことを考えるように」とつけ加えたのです。このように、ただ考えないようにするのではなく、「別に考えること」を用意しておくと、皮肉なリバウンド効果は生じませんでした。ただし「別に考えること」は、「考えまい」とする事柄とまったく無関係な事柄にするのが重要なポイントです。
自分の場合はネガティブ気味だからか、仕事の悩みが頭から離れないことが多いです。
この悩みが仕事中だけならまだしも、プライベートまで浸食してきたら大変です。
精神的に疲弊してしまいます。
で、引用でも触れている対策案が「別に考えることを用意しておく」。
これは人によると思いますが、自分にとってのそれは「ラジオを聴きながらゲーム」です。
以前にそんな感じの記事を書いているので、リンクしておきます。
これも引用で触れていますが、「別に考えること」は、「考えまい」とする事柄とまったく無関係な事柄にするのが重要なポイントとしています。
「ラジオを聴きながらゲーム」は、仕事とはほぼ無関係だから効果的なのかなと思いました。
そういえば思い返すと、ラジオの内容もビジネス寄りな内容というよりは、芸人さんがやるようなバラエティ寄りな内容をよく聴いていました。
せっかくなので「皮肉なリバウンド効果」に関して、参考リンクを貼っておきます。
インパクト・バイアス:あれ?思っていたほど楽しくないな
感情の予測は当たらない!?
「宝くじが当たったら、最高にうれしいだろうな」と想像したことは、誰でも一度はあるのではないでしょうか? 反対に「このプロジェクトで失敗したら立ち直れない」などと、不安にさいなまれた経験もあるでしょう。しかし、もしその通りの状況になったとしても、案外、予想していたほどの幸福感や挫折感は続かないものです。
心理学者フィリップ・ブリックマンらの調査によると、宝くじ当選者22人と、麻痺が残った事故被害者29人の幸福度を調査したところ、出来事の数カ月後には元の水準に戻り、どちらの幸福度も同程度になることがわかりました。
人は、ある出来事が生じたときに、そのときの感情の強さや持続時間を過大に見積もる傾向があり、これを「インパクト・バイアス」と言います。
自分がネガティブ気味だからか、これもネガティブな面に着目してしまいます。
仕事の失敗なども、実際に失敗しても思ったほど落ち込みが持続しないのだとしたら、「インパクト・バイアス」は個人的にありがたいバイアスです。
成功の幸福感も思ったほど持続しないのは悲しいことですが、落ち込みが思ったほど持続しないことの方が個人的には嬉しいことです。
幸福感や挫折感が意外と長続きしないことは、もしかしたらこれまでの人生で薄々感じていたことかもしれません。
その感覚に「インパクト・バイアス」と名前が付いていたことを知れたことで、納得感が増しました。
せっかくなので「インパクト・バイアス」に関して、参考リンクを貼っておきます。
計画錯誤:なぜいつも計画通りにいかないのか?
何度失敗しても計画の見積もりを誤る
仕事であれ勉強であれ、始める前に計画を立てたとしても、往々にして計画通りには進みません。締め切り間際になって、いつもあわてて提出する人も多いでしょう。
ある研究では学生たちに、論文を提出するまでに必要な日数をできるだけ正確に予測してもらいました。すると、予測の平均日数は33.9日でしたが、実際には提出までに55.5日かかりました。また予測した期日までに提出した学生は3分の1以下でした。
計画通りに進まず失敗した経験をくり返しても、新たな計画を立てる際には「予定通りに進むだろう」と考えてしまうことを「計画錯誤」と言います。予算の見積もりにも影響する
計画錯誤は、予算などを見積もるときにも起こります。当初は「これくらいで収まるだろう」と見積もっていた費用が徐々にふくらみ、最終的に予算オーバーになるケースは、ビジネスシーンでも珍しくありません。
ものごとはたいてい計画通りには進みません。予測していなかったトラブルが生じたり、ほかの仕事が舞い込んできたりして、計画がずれ込むことのほうが多いでしょう。
ただし、過去の計画錯誤の経験を思い出して、また同じ失敗が起きるかもしれないと具体的に想定しながら計画したときには、錯誤に陥らなかった例が報告されています。
今回の引用を読んで、以下の記事の引用を思い出しました。
自分も工数見積をちょくちょくします。
なので、今回の引用の内容には心当たりが大いにあります。
計画段階では想定していなかった作業が見つかったりして、結局は計画時の工数をオーバーしてしまうことが多いです。
「過去の計画錯誤の経験を思い出して…」は良いヒントになりそうです。
自分のこれまでの工数見積を思い出せば、多少なり精度が上がるかもしれません。
過去の計画錯誤を思い出すのはしんどいでしょうし、過去の計画と今回の計画を照らし合わせて取捨選択していくのはけっこう面倒な作業になるはず。
それでも、計画を進行させている時に発生するトラブルを未然に防げると思えば、なんとか向き合えるはず。
ただ、新規性の高い工数見積だとやはり想定外を拾いきれない感じもするんですよね。
とはいえ、新規性の高い工数見積が結局オーバーするとしても、そこまで大幅にオーバーしないのはこういった過去の計画錯誤から学んでいる部分もあるのかなと思います。
そう考えると、ある程度は高い精度で工数見積ができているのかもなと思いました。
せっかくなので「計画錯誤」に関して、参考リンクを貼っておきます。
おわりに
ということで「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス(中編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- 皮肉なリバウンド効果:忘れたいことほど頭から離れない
- インパクト・バイアス:あれ?思っていたほど楽しくないな
- 計画錯誤:なぜいつも計画通りにいかないのか?
の3つでした。
「計画錯誤」が印象的でした。
いつも計画通りにいかないことはしょうがないことなのかもな、と心が少し軽くなる感じがありました。
「イラストでサクッとわかる! 認知バイアス」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『イラストでサクッとわかる! 認知バイアス』[前編]
- 【感想】『イラストでサクッとわかる! 認知バイアス』[中編] ← 今回の記事
- 【感想】『イラストでサクッとわかる! 認知バイアス』[後編]
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