「医学的に正しいダイエット」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は中編です。
前編の記事はこちらです。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
「ダイエットしてみたけど、ぜんぜん体重が減らなかった……」
そんな経験はありませんか
ひょっとするとその方法は、科学的根拠、
つまりエビデンスがないダイエット法だったのかも。著者はダイエット外来を行う医師。
自身も30キロのダイエットに成功した経験があります。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
いくつか引用と感想
今回の記事は、前編の記事に引き続き「第2章 食品・食事法のダイエットとエビデンス」から引用してみます。
ダイエットのエビデンス判定
根拠となった論文は、本文中に(1)のように数字で示し、各章の最後に、参考文献一覧としてまとめてあります。学術書ではないので題名だけ示しますが、PMIDという7~8桁の数字も併記しておきました。これは医学論文のIDナンバーで、ヤフーやグーグルでも[PMID 12345678]のように検索すれば、著者名や要旨などを簡単に参照することができます(ただし英語です)。もう少し詳しく中身を知りたい、というような場合にご活用ください(PMIDは、日本語論文や一部の英語論文にはありません)。
論文のエビデンス・レベルから、各ダイエットを次の5種類にランクづけしました。
grade A 高いレベルのエビデンスがあり、強くすすめられる
grade B1 低いレベルのエビデンスしかないが、やってみてもよい
grade B2 有効であると専門家の合意があり、やってみてもよい
grade C 有効なエビデンスがなく、すすめられない
grade D 無効であるエビデンス、健康に悪いエビデンスがあり、避けるべきこのうち、grade A、B1、B2のダイエットを選んで実践していけば、高い確率で成功するはずです。
まずは本書のポイントとなる「エビデンス判定」の部分を引用しておきます。
前編の記事でも同じものを引用しています。
次の引用から何種類かダイエットを引用します。
それぞれにエビデンス判定が付いており、そのダイエットを実践すべきかどうかの目安になります。
もちろん自分の体質や環境によって、それぞれのダイエットとの相性はあるとは思います。
それを前提としつつ、今実践しているダイエットや、これから実践しようとしているダイエットの判断材料として参考になるかなと思います。
低GIダイエット――grade B2
GIとはグリセミック・インデックスの略で、血糖値の上昇指数のことです。
ブドウ糖は純粋な糖分なので、食べるとただちに吸収され、血糖を上げるため、この値が100。
多糖類や、食物繊維を含む炭水化物は、ブドウ糖に比べて血糖の上昇速度が遅く、値が低くなります。
同じカロリーでも、GI値が低いものを食べたほうが体重が落ちやすい、というエビデンスがあります。
とくに、食事の最初に高GI食品を食べるのは、避けるようにしましょう。
糖質に着目していることから、前編で引用した「糖質制限ダイエット」に近い立ち位置にある印象です。
糖質制限だと「ご飯や麺類を抜こう」といった、特に調べたりせずにダイエットを始めてしまい、極端に糖質を制限してしまうケースがありそうな気がします。
自分も最初は極端に制限してしまって、うまくいきませんでした。
ちゃんと調べないのが良くないのですが。
一方で低GIダイエットの場合は「低GIの食品は何があるのだろう?」と調べるところからダイエットを始めそうな気がします。
調べていくうちに「低GI」「中GI」「高GI」の分類を学びつつ、摂取量にも気を付けるようになるのかなと(あくまで想像ですが)。
本書では「低GI」「中GI」「高GI」に分類して、それぞれに該当する食品が表にまとめられています。
それをそのまま引用するわけにはいかないので、似たような分類をしているサイトをいくつかリンクしておきます。
本書の表とはラインナップが少し異なるので、あくまで参考程度に。
「低GIダイエット」は”grade B2”ということで試しに実践してみても良さそうですが、あまり期待しすぎない方が良いのかもしれません。
単品ダイエット――grade C
何年かおきにブームになる単品ダイエット。リンゴ、バナナ、ゆで卵など、さまざまなものが喧伝されました。「これだけを3食続ける、いくら食べてもよい」というやつです。
タンパク質、ビタミン、ミネラルを完璧に含んだ食品はないため、必ず栄養障害が起きますから、絶対にやめましょう。カラダに悪いとするエビデンスがないのは、倫理的に問題があるので、誰も人間相手に実験しないからです。
また、「これを食べれば痩せる」ダイエットも同様。何かを咀嚼して飲み込み、体重が落ちれば、それは食べ物ではなく毒です。
アサイーだろうがヨーグルトだろうがスーパーフードだろうが、栄養にはなっても体重は減少させません。
今回の引用を読むと、単品ダイエットのメリットは全然なさそうです。
特定の食品を「3食続ける」「いくら食べてもよい」だと、たしかに良くなさそうですよね。
何故これがブームになるか謎なのですが、手軽でシンプルなことと、一時的に痩せたりするケースもあるからですかね。
ただ自分としては単品ダイエットがブームになっていた印象があまりなかったので、色々とネット検索してみました。
参考までにリンクしておきます。
※「grade C」という前情報があってからのネット検索なので、どうしても単品ダイエットをオススメしていないサイトに目が行ってしまいました。
「単品ダイエット」は”grade C”ということで、実践しない方が良さそうです。
楽に痩せる方法は、きっとないんでしょうね。
健康的に痩せるには、それ相応の努力が必要なのかなと。
頻回食事ダイエット――grade B2
「肥る」という現象は、脂肪細胞が増えることです(以前は、成人後には脂肪細胞は増えないとされていましたが、現在では脂肪細胞が極限まで大きくなると、新たな脂肪細胞が出現して、脂肪組織全体の体積がふくらんでいくと考えられています)。
血液中の過剰な糖分が、中性脂肪として内部に貯め込まれることで脂肪細胞は大きくなりますが、これは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用によります。
このインスリン、血糖値が低いときに食事をして、新たな糖が血液に入ってくれば大量に放出されるという性質があります。
逆もまた真で、血糖値が高いときなら、同じ量を食べても放出は少なめなのです。
1日1食だと、食直前の血糖値は極端に低く、インスリンの分泌は多量となり、脂肪細胞の肥大を招きます。
1日の摂取カロリー量が同じなら、食事回数を多くしたほうが、平均血糖値が高めに保たれ、インスリンの分泌が少なくなります。
朝昼晩の3食を半分ずつに分け、6時、9時、12時、14時、17時、20時に食べるのが典型例。
「頻回食事ダイエット」という表現にあまり馴染みはないですが、間食の回数を増やすイメージでしょうか。
自分はよく間食をしますが、1日6食にするほど細かく分けたことはないです。
間食をする目的は、疲れを溜めないためだったり、仕事のパフォーマンスをなるべく下げないためにしている感じです。
ダイエット目的で間食している感覚はあまりないです。
間食に関してはこれまで何度か引用しているので、リンクしておきます。
一応ダイエットの観点でも間食は良さそうです。
「頻回食事ダイエット」は”grade B2”ということで試しに実践してみても良さそうですが、あまり期待しすぎない方が良いのかもしれません。
おわりに
ということで「医学的に正しいダイエット(中編)」として書いてみました。
今回の記事で引用したのは
- ダイエットのエビデンス判定
- 低GIダイエット――grade B2
- 単品ダイエット――grade C
- 頻回食事ダイエット――grade B2
の4つでした。
エビデンス判定、およびエビデンス判定が付いたダイエット3種類を引用してみました。
前編で「低カロリー食ダイエット(LCD)」「断食」「糖質制限ダイエット」の3つ。
中編(今回)で「低GIダイエット」「単品ダイエット」「頻回食事ダイエット」の3つ。
合計6つのダイエットを引用しました。
本書では他にもいくつかエビデンス判定付きでダイエットを紹介しています。
ただ全部引用するのは気が引けるので、詳しく知りたい人は本書を読んで頂ければと思います。
「医学的に正しいダイエット」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『医学的に正しいダイエット』[前編]
- 【感想】『医学的に正しいダイエット』[中編] ← 今回の記事
- 【感想】『医学的に正しいダイエット』[後編]
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