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【感想】『医学的に正しいダイエット』[前編] 食品・食事法のダイエットとエビデンス

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「医学的に正しいダイエット」こちらの本、読みました。

医学的に正しいダイエット -30kgの減量に成功した医師が教える

ダイエット関連の本は今回で4冊目です。
これまでの読書感想は、この記事の最後に関連記事としてリンクしておきます。

なお、本書の読書感想は「前編」「中編」「後編」の3つに分けて投稿しようと思います。
今回は前編としてアレコレ書いていきます。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

「ダイエットしてみたけど、ぜんぜん体重が減らなかった……」
そんな経験はありませんか
ひょっとするとその方法は、科学的根拠、
つまりエビデンスがないダイエット法だったのかも。

著者はダイエット外来を行う医師。
自身も30キロのダイエットに成功した経験があります。

こんな感じの本です。

Amazonのレビュー数や読書メーターのコメント数の少なさに若干の不安があったのですが、全然面白く読めました。

ダイエット別のエビデンス判定は分かりやすかったですし、参考になりました。

また本書の中でも紹介されている「ダイエット外来」というのが珍しく、興味深かったです。

www.miyataiin.or.jp

いくつか引用と感想

今回の記事では「第2章 食品・食事法のダイエットとエビデンス」から、いくつか引用してみます。

ダイエットのエビデンス判定

根拠となった論文は、本文中に(1)のように数字で示し、各章の最後に、参考文献一覧としてまとめてあります。学術書ではないので題名だけ示しますが、PMIDという7~8桁の数字も併記しておきました。これは医学論文のIDナンバーで、ヤフーやグーグルでも[PMID 12345678]のように検索すれば、著者名や要旨などを簡単に参照することができます(ただし英語です)。もう少し詳しく中身を知りたい、というような場合にご活用ください(PMIDは、日本語論文や一部の英語論文にはありません)。

論文のエビデンス・レベルから、各ダイエットを次の5種類にランクづけしました。

grade A   高いレベルのエビデンスがあり、強くすすめられる
grade B1 低いレベルのエビデンスしかないが、やってみてもよい
grade B2 有効であると専門家の合意があり、やってみてもよい
grade C   有効なエビデンスがなく、すすめられない
grade D   無効であるエビデンス、健康に悪いエビデンスがあり、避けるべき

このうち、grade A、B1、B2のダイエットを選んで実践していけば、高い確率で成功するはずです。

まずは本書のポイントとなる「エビデンス判定」の部分を引用しておきます。
厳密には第2章に書かれている内容ではないのですが、このエビデンス判定が各章に関わってきます。

次の引用から何種類かダイエットを引用します。
それぞれにエビデンス判定が付いており、そのダイエットを実践すべきかどうかの目安になります。

もちろん自分の体質や環境によって、それぞれのダイエットとの相性はあるとは思います。
それを前提としつつ、今実践しているダイエットや、これから実践しようとしているダイエットの判断材料として参考になるかなと思います。

低カロリー食ダイエット(LCD)――grade A

いわゆるカロリー制限のことです。摂取カロリーを、標準体重(*)から決めるという、単純といえば単純な方法。
通常、25kcal×標準体重/日で開始し、体重の減りが悪ければ、食事量を落としていきます。
栄養素のバランスは、50~60%を糖質、15~20%をタンパク質、20~25%を脂質とするのが一般的で、正確にやればしっかり体重が下がるエビデンスがあります(各栄養素に関しては後述)。

ずばり欠点1、面倒くさい。カロリーの計算は慣れないと煩雑だし、ましてや糖質、脂質、タンパク質の割合など、栄養士でもなければわかりません。
欠点2、カラダが慣れてしまって体重が落ちていないのか、ゆっくり痩せている途中なのかわかりにくいところ。体重が停滞しては、すぐにカロリーを絞ることを繰り返し、継続困難に陥ってしまいがち。
このLCDだと痩せるのが難しいので、いろいろなダイエット法が考えられたのかもしれません。

*標準体重:身長(m)× 身長(m)× 22
例:身長162cmの場合、1.62×1.62×22=約57.7kg

「低カロリー食ダイエット(LCD)」という表現にはあまり馴染みがないのですが、内容を読むと昔からよく聞くダイエット方法かなと思います。

標準体重から摂取カロリーを算出、その摂取カロリーの範囲で糖質、タンパク質、脂質のバランスを意識する。
これからいくつかダイエット法を引用しますが、自分が実践している「マクロ管理法」に一番近いのはこれかなと思います。

関連記事

マクロ管理法を実践している身としても、欠点で挙げている内容は納得です。

自分はそこまで厳密にカロリーをしておらず、ざっくり「タンパク質多め、糖質少なめ」を意識しています。
なにも意識せずに好き勝手に食べると「タンパク質少なめ、糖質多め」になってしまうため、その逆を意識する感じです。

本来はもっと厳密に計算する必要がありそうですが、自分の場合はざっくりの管理と意識で体重が減っていきました。

マクロ管理法の開始と同時に筋トレも開始したので、筋トレの影響も大きいとは思います。
ですが食事内容もガラッと変わったので、筋トレよりさらに食事内容の見直しの影響は大きかったかなと思います。

ダイエットにおいて食習慣がいかに重要か、に関しては以下の引用を読むと納得感が増すかなと思います。

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「低カロリー食ダイエット(LCD)」は"grade A"ということで、オススメのダイエットかなと思います。
ただ欠点もいくつか挙げていますし、このダイエットで難しい場合はもう少しシンプルな方法が良いのかもしれません。

断食――grade D

週末断食、プチ断食、断食道場。私も広告や記事を目にしたことがあります。「ファスティング」という言葉も聞きますが、食べないことに変わりはありません。
断食は、タンパク質の異化作用(分解される)を引き起こし、筋肉量の低下を招くことが、すでに証明され、また、一定期間以上続けると、腎臓や肝臓の障害を引き起こすことも報告されました。
「カラダを切り替える」「デトックスのため」など、よくわからない理由で断食に誘うキャッチコピーも見かけますが、ダマされてはいけません。
何から何に切り替えるのか、まるでわからないし、「デトックス」自体まやかしで、毒素が体内に存在したら、免疫系が勝手に処理してくれます。体重が落ちても、筋肉が減り健康被害に遭っては、なんにもなりません。

自分は断食をやったことがないので具体的なことは分かりませんが、なんとなく「あまり健康に良くなさそう」というイメージはありました。

ファスティング」という言葉もよく聞きます。
よく聞くのに実践に移さなかったのは、なんとなくの直感で避けていたのかもしれません。

今回の引用は、その直感を言語化してくれたような、納得するような内容でした。
ただ今回の引用だけで納得せず、断食に関する本を何冊か読んだうえで判断した方が良いのかもしれません。
ですが現状のマイナスイメージを払拭するのは難しい気がします。

今実践している「マクロ管理法」以外のダイエットを選択するにしても、断食を選択する可能性は限りなくゼロに近いかなと。

「断食」は"grade D"ということで、実践しない方が良さそうです。
一時的に痩せることが出来たとしても、リバウンドもすごそうです。

糖質制限ダイエット――grade B1

最近、話題になることが多い糖質制限。結論からいえば、短期間(6か月以内)での体重減少には有効です。
なぜ、grade Aではないのかというと、いくつか反論が存在するからです。カロリーが同じなら、糖質制限群と非制限群で体重の減少は同程度だったという実験結果、低糖質群は結果的に摂取総カロリーが低くなるから体重が減っているだけ、という分析。これらは、糖質制限をせずともカロリー制限で充分、と主張しています。
結論として、食事に占める糖質の割合が高い方は、糖質制限を試してみてもよい、というところでしょう。
ただ、あくまで糖質由来のカロリーを全体の40%に落とすくらいにしてください(通常は、低カロリー食ダイエットの項にあるとおり、糖質の割合は50~60%)。
糖質(甘い物、米、パン、麺、芋、根菜など)をすべてカットして、代わりに肉や魚は食べ放題、という極端な方法をすすめる人もいますが、現在のところエビデンスはないのでやめましょう。血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの生成や、筋肉の代謝維持に糖質は必須で、タンパク質や脂質では代用できないし、大脳が使えるエネルギーはブドウ糖だけだということを忘れずに。
また、10年を超える糖質制限では、死亡率が上がるとするエビデンスもあるので、半年間程度の短期間に限って行いましょう。

ダイエットで話題に上がることも多い「糖質制限ダイエット」。
本書の発売が2019年なので、その頃の方がブームになっていた印象があります。

今回の引用を読むと、自分が実践しているマクロ管理法に似ている部分もある気がします。
ですが「制限」というワードに引っ張られて、極端に糖質を制限してしまう人が多そうです(自分もそうでした)。
引用には「あくまで糖質由来のカロリーを全体の40%に落とすくらいにしてください」と書かれています。

糖質制限ダイエット」は"grade B1"ということで、実践してみても良さそうです。
ただし引用でも触れているように、短期間の実践を推奨しています。
そして極端に制限すると健康上のリスクも高まりそうなので、そこは要注意ですね。

おわりに

ということで「医学的に正しいダイエット(前編)」として書いてみました。

今回の記事で引用したのは

  • ダイエットのエビデンス判定
  • 低カロリー食ダイエット(LCD)――grade A
  • 断食――grade D
  • 糖質制限ダイエット――grade B1

の4つでした。

エビデンス判定、およびエビデンス判定が付いたダイエット3種類を引用してみました。

本書はエビデンス判定が付いていることがポイントかなと思います。
エビデンス判定が付いていることで、それぞれのダイエットに対して興味を持って読むことができました。

「医学的に正しいダイエット」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。

記事まとめ

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