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【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[後編] 行動経済学の応用法

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「ビジネス教養 行動経済学」を読んだ感想の続きを書いていきます。

サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学

今回は後編です。

前編、中編はこちら。

それではサクッと本題へ。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

行動経済学は個人の心理を扱う経済学で、知識ゼロの人でも理解しやすく、かつ実際のビジネスに役立つテーマです。行動経済学の研究対象である、人間の非合理的な意思決定方法を学べば、営業職にも企画職にも生かすことができます。例えば、宿泊予約サイトにリアルタイムの閲覧者数を表示することで、「これだけ注目されているならいいホテルに違いない」「急がないと埋まってしまうかもしれない」と思わせて予約を促す仕組みは行動経済学の活用と言えます。

こんな感じの本です。

ここは前回の記事と同様です。

いくつか引用と感想

CASE1:取引を有利に進めたい

方法1:初頭効果を利用する(→P50)
ビジネスにおいて、第一印象が大切だとよくいわれます。初頭効果によって、人間は、初めに感じた印象にその後も影響を受けます。つまり、第一印象さえ良ければ、そのイメージがプラスに働いて、ちょっとしたミスならカバーできる可能性もあるのです。身だしなみを整えて、相手に「信用できる人だ」という印象を与えましょう。

方法2:ピークエンドの法則を忘れずに退席する(→P51)
会話の終わり方も、第一印象と同様に重要です。人間は、過去の出来事を思い出す時、最も盛り上がった時点の感情と、最後の印象によってその出来事を評価します。つまり、商談の最後に最も盛り上がる話をすれば、相手はその商談を思い出す際、「とても盛り上がった」と評価し、良い印象を残すことができるのです。

「初頭効果」と「ピークエンドの法則」の件は中編の記事でも触れました。
身だしなみを整えるくらいで初頭効果を発揮できるなら、しておきたいところです。

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【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[中編] - 良い印象を残すために大切なものは?

システムエンジニアという職業柄なのか、身だしなみがラフな人が割と多いです。
そういった中で、身だしなみを整えていたら第一印象は優位に立てそうです。

ピークエンドの法則に従って、最後に最も盛り上がる話を…というのは意外と難しいかなと思いました。

こっちが「最も盛り上がった」と思っていても、相手も同じように「最も盛り上がった」と思ってくれるかは別ですし。
「最後に最も盛り上がる話をしよう」というのを念頭に臨むと、なんというか全体的にフォームを崩しそうだな…とも。

とはいえ、去り際の最後の印象は大事ですね。
緊張から解放される直前のタイミングなので、気を抜かないようにしたいところです。

CASE2:こちらに都合の良い選択をしてもらう

方法1:極端の回避効果で選択を誘導(→P67)
取引先に選択を迫る際、思い通りのものに誘導したい時には、おとり(極端の回避)効果を活用できます。選択肢の中におとりの選択肢を混ぜることで、選ばせたい選択肢の評価が相対的に高くなるのです。また、どちらかを”選ぶ”という状況に相手を誘導することで、取引自体をやめるという選択の抑止にも一役買っています。

方法2:ハッタリで損失回避性に訴えかける(→P86)
どうしてもこちらの要望を通したい場合は、最終手段としてハッタリを用意するのも手。「要望を通してくれないと損をしますよ」と暗に伝えることによって、相手の損失回避性に働きかけます。むやみ悪用は禁物ですが、損は得よりも大きく感じるため、相手が迷っている場合は最後のひと押しとして有効です。

システムエンジニアという職業柄なのか、「極端の回避効果で選択を誘導」とか「ハッタリで損失回避性に訴えかける」みたいなシチュエーションは少ないです。

どちらかというと選ぶ側というか、利用者側の立場でも考えられるかなと。

「極端の回避効果」や「損失回避性」が前提知識としてあれば、相手の都合の良い方向に誘導されていることに敏感になれるかなと思いました。

誘導に気付ければ、相手の誘導から一旦離れて、冷静な判断に戻ることが出来そうだなと思いました。
誘導に気付いたうえで、誘導に乗っかってみるのもアリかなと。

方法1の「極端の回避効果」「おとり効果」に関しては、中編でも触れているのでリンクしておきます。

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【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[中編] - なぜ2択より3択のほうが選びやすい?

方法2の「損失回避性」に関しては参考リンクを貼っておきます。

www.kcsf.co.jp

CASE3:面倒な仕事を同僚に手伝ってほしい

方法1:アンカリング効果で負担を少なく見せる(→P65)
上司から任された仕事を同僚にも手伝ってほしい。そんな時、活用したいのがアンカリング効果です。自分が請け負う大量の仕事をまず相手に示すと、それがアンカーとなって、その一部をお願いすれば、相手は頼まれた分の仕事を少なく感じ、引き受けてくれる確率が高くなります。

方法2:ハーディング効果で同調を促す(→P77)
他にも、周囲のみんなに同調するよう促すのも効果的。人は「みんながやっているのに自分だけ・・・」という状況には不安を感じるため、「君にも」と一言添えて仕事をお願いすると快く受け入れてくれるはずです。同調効果と同様に、集団から外れたくないという心理が働くことをハーディング効果といいます。

タスクを手伝ってほしいとなった時に、タスクの全量を見せつつ、その中の一部を依頼する。
もしくは、周りにもタスクを分散させて、同調効果を狙う。

そんなに簡単にうまくいくとは思えませんが、1つの案として良いかなと思いました。
そもそも仕事を一人で抱えがちな性格なので、こういった方法は頭の片隅に置いておきたいなと。

以前こんな記事も書いているくらいですし。

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仕事は自分ひとりでやらない

方法1の「アンカリング効果」に関して、参考リンクを貼っておきます。

www.kaonavi.jp

方法2の「ハーディング効果」「同調効果」に関しても、それぞれ参考リンクを貼っておきます。

gimon-sukkiri.jp

liberal-arts-guide.com

おわりに

ということで「ビジネス教養 行動経済学(後編)」としてアレコレ書いてみました。

本書は巻末に用語集が載っています。

この記事で紹介した「初頭効果」「ピークエンドの法則」「極端の回避効果」「おとり効果」「損失回避性」「アンカリング効果」「ハーディング効果」「同調効果」は、全て用語集に載っていました。

どの用語も端的にまとめられているので、一通り読んだ後に用語集を読むと振り返りになりそうです。

「ビジネス教養 行動経済学」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。

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読書感想リンク

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