「ビジネス教養 行動経済学」を読んだ感想の続きを書いていきます。
今回は中編です。
前編はこちら。
それではサクッと本題へ。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
行動経済学は個人の心理を扱う経済学で、知識ゼロの人でも理解しやすく、かつ実際のビジネスに役立つテーマです。行動経済学の研究対象である、人間の非合理的な意思決定方法を学べば、営業職にも企画職にも生かすことができます。例えば、宿泊予約サイトにリアルタイムの閲覧者数を表示することで、「これだけ注目されているならいいホテルに違いない」「急がないと埋まってしまうかもしれない」と思わせて予約を促す仕組みは行動経済学の活用と言えます。
こんな感じの本です。
ここは前回の記事と同様です。
いくつか引用と感想
Q:見たことのあるものを買ってしまうのはナゼ?
A:記憶に残っているものを信用するから
「よく見かける」「インパクトが強い」「最近知った」「友人が使っている」・・・。こうした商品は私たちの記憶に強く残り、思い出しやすいもの。その記憶を利用する可能性が高いので、値段や品質について細かく検証することなく、直感的にその商品を選んでしまうのです。このように、なじみのあるものを選択する意思決定プロセスを「利用可能性ヒューリスティック」と呼びます。
企業は、さまざまな媒体に繰り返し広告を出すことで、購入に結びつけたいと考えているのです。企業は自身をブランディングするために、思い出しやすくなじみ深いイメージを作る工夫をしています。たとえば、ブランドロゴの統一、ジングル・音楽(サウンドロゴ)の使用などです。ジングルとは、ブランドを印象づけるための音楽です。
ジングルの利用によってなじみのある企業は好感度が上がり、商品ならば実態以上に売れていると感じます。
同じジャンルの商品であっても、「テレビCMで見たことがある商品」と「テレビCMで見たことがない商品」で、どちらを手に取るか。
これは、「テレビCMで見たことがある商品」を手に取る人が多いのではないかなと思います。
そのジャンルにこだわりがあったら、商品の中身を重視すると思います。
ただ、そこまでこだわりはなく、「正直どれでも良い」状況なら、なんとなくCMなり広告なりで記憶に残っているものを選択してしまう人が多いのではないかなと。
何よりも値段を最優先するとか、そういったケースもあるとは思います。
ですが基本的には、うっすらとテレビCMの記憶で良い印象がある商品を直感的に選んでしまうことはあるかなと。
これは意識的にというよりは、無意識的にそうなっていることが多いかなと。
自分もたしかに、身に覚えがあります。
せっかくなので「利用可能性ヒューリスティック」に関して、リンクしておきます。
Q:良い印象を残すために大切なものは?
A:最初と最後が肝心
初対面の人に挨拶に行く時、事前に相手をリサーチする、手みやげを持っていく、最初に大きな声で挨拶する・・・。これらは「一番最初の良い印象が残り続ける」ことを無意識に理解して取る行動です。人は、第一印象に大きく影響されます。これは「初頭効果」といい、代表性ヒューリスティックの1つです。
他方、人間がある事柄を思い出す時に働くのが「ピークエンドの法則」です。これは、「ピーク」、つまり絶頂時と、最後の時点「エンド」が、思い出全体に対する印象を左右するという理論です。最も盛り上がった時点と最後以外は、人間の記憶に残りづらいともいわれています。これも、代表的な事柄だけを見て判断する、代表性ヒューリスティックの1つです。
「初頭効果」と「ピークエンドの法則」を考えると、最初と最後が肝心なようです。
とはいえ「最初と最後だけ頑張れば良い」という訳ではなく、印象に残りやすいのはその部分、ということですね。
仕事のシチュエーションで考えてみます。
例えば、新しい顧客先に初めて訪問する時。
まずは「初頭効果」に関して。
事前に顧客先のことをリサーチをしていて、それが良い具合に相手に伝わると印象が良くなるかなと。
露骨にならないように気を付ける必要はありますが、初頭効果は身を持って体感しています。(心配性なので事前にかなりリサーチするタイプ。)
そして「ピークエンドの法則」に関して。
顧客先に訪問した時の終わり際は、気を付けないとですね。
「もうすぐ終わるな…」というのは時間や雰囲気で分かりますし、緊張から解放される直前なので気が抜けがちです。
ここで引き締め直して良い印象で終われるようにした方がピークエンドの法則を発揮しそうですね。
せっかくなので「代表性ヒューリスティック」「初頭効果」「ピークエンドの法則」に関して、それぞれリンクしておきます。
Q:なぜ2択より3択のほうが選びやすい?
A:人は両極端を嫌うから
「激辛」「ふつう」「激甘」の3種類のカレーがあった場合、多くの人が「ふつう」を選びます。
2択だとどちらにするか迷いがちですが、3択になると真ん中が選ばれやすくなるのです。
人間には、極端なものを回避する傾向があるからです。この「極端の回避効果」は、固着性ヒューリスティックによって起こります。この効果を商売に活用することもできます。
たとえば鰻重にはよく、松・竹・梅がありますが、松は贅沢すぎるし、梅だと寂しすぎると感じて多くの人が無難な竹を選びます。松を置くことで安価な梅の注文が減り、梅より高額な竹の注文が増えるのです。
この「3択」のような文脈によって選んでほしい選択肢が魅力的に見えることをおとり効果といいます。
引用したカレーの例は、かなり極端な例に感じました。
そりゃ多くの人は「ふつう」を選ぶでしょう、と思いました。
ただ鰻重の例は、自分にも心当たりが多くあり納得感がありました。
カレーや鰻重の例だけでは納得感が薄いと感じた方は、他の例も見てみると納得感が増すかなと思います。
以下にいくつかリンクしたので、そちらに載っている事例も見て頂ければと。
「固着性ヒューリスティック」「極端の回避効果」「おとり効果」に関して、それぞれリンクしておきます。
リンク内にいくつか事例が載っています。
おわりに
ということで「ビジネス教養 行動経済学(中編)」としてアレコレ書いてみました。
前編は概要的な内容でしたが、中編はQ&A形式で具体的な事例をいくつか引用してみました。
それぞれの引用は、具体的な事例を交えつつ「○○○ヒューリスティック」という用語の解説でした。
それぞれ改めてまとめると、
Q:見たことのあるものを買ってしまうのはナゼ?
A:記憶に残っているものを信用するから
⇒利用可能性ヒューリスティック
Q:良い印象を残すために大切なものは?
A:最初と最後が肝心
⇒代表性ヒューリスティック
Q:なぜ2択より3択のほうが選びやすい?
A:人は両極端を嫌うから
⇒固着性ヒューリスティック
という感じです。
「ビジネス教養 行動経済学」は3記事に渡って書きました。
他の記事も良ければぜひ。
- 【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[前編]
- 【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[中編] ← 今回の記事
- 【感想】『ビジネス教養 行動経済学』[後編]
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