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【感想】『テレワーク時代のマネジメントの教科書』[後編] 評価バイアスに惑わされないようにするには?

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「テレワーク時代のマネジメントの教科書」を読んだ感想の続きを書いていきます。

テレワーク時代のマネジメントの教科書――見えない部下をどう管理するのか?

今回は後編です。

前編の記事はこちら。

前回の記事

それではサクッと本題へ。

本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

新型コロナ拡大を機に、テレワークを導入する企業が増えている。従業員1万人以上の大企業の4割がテレワークを導入し、出社するか否かは各人に任せるという「まだらテレワーク」が定着しつつある企業も多い。そんな中で、最も、根本的な変更を求められるのが、管理職に求められる資質や、チーム作りやマネジメントの方法論。部下が見えず、チームに一体感が作りにくい状況で、どうやってコミュニケーションし、教育し、チームのモチベーションを高めていくのか。パーソル総合研究所が2020年に約6回にわたり、のべ9万人を対象に行ったテレワークの実態調査をベースに、同社の執行役員を務め、組織開発やデジタルラーニングのコンサル経験を多数持つ高橋豊氏が、テレワーク時代に根本的に変えるべきマネジメントの考え方や実践的な技術を提案する。現場マネージャーから人事担当者、経営幹部も必読。

こんな感じの本です。

ここは前回の記事と同様です。

いくつか引用と感想

テレワークは自分の位置を相対化できない

出社して仕事をしていると、上司が自分以外の誰かを褒めたり、厳しいフィードバックをしたりしている場面を目にすることがあります。仲間同士の雑談から、誰かが叱られたとか、誰かの評価が上がっているとか、そうした噂話を耳にすることもあるでしょう。そうした様子を見聞きしながら「自分は同じ案件でも叱られなかったから、良い方なのではないか」「あの人は上司に声をかけてもらっていたけれど、自分は何も言われていないから期待されていないのではないか」などと相対的に自分を位置づけ、そこから自分の行動を省みたり、次の戦略を練ったりすることができていました。

テレワーク以降に入社した人は特に、引用で書かれているような「自分の位置の相対化」は難しいだろうなと思いました。
テレワークより前から会社に居る人の場合は、それまでの職場の雰囲気をテレワークでもなんとなく感じ取れるのではないかなと。たぶん。

これに関しては前編でも触れましたが、やはりコミュニケーションの頻度が大事になってくるかなと。
特に上司から部下へのコミュニケーションが大事になってきそうです。

ただ振り返ってみると、テレワーク前は周りのそういった噂話を気にしすぎていた感じがしています。個人的にですが。
なのでテレワークになって周りの影響をそこまで受けなくなったことで、いつも以上に仕事に集中できるようになったかなと思っています。

周りの反応を完全にシャットアウトするのも良くないとは思いますが、自分のように気にしすぎるタイプの人にとってはメリットもあるなと思いました。

マネジメントできる部下の数

本来ひとりの上司が管理できる部下は4人まで
(中略)
では、実際1人の上司が直接マネジメントできる部下の数は何人かといえば、「4人」までです。自分を入れて5人までというのが、最少チームの人数として現実的なところでしょう。
実際のところ、これまでも5人がベストだったと思うのですが、10人、20人という部下を抱えているケースが多々ありました。対面だからうまくいっていたということではなく、単に上司の側が「うまく管理できている」と思い込んでいた部分が大きいのではないでしょうか。顔を合わせていれば、それでも”阿吽の呼吸”で事なきを得ていたことが、テレワークになるとそうもいきません。
コミュニケーションの分野でも、1人がきちんと関わりをもてる人数は4人までだと言われています(*4)。

テレワークの話からは少し脱線しますが、「1人がきちんと関わりをもてる人数は4人まで」というのには心当たりがあり、引用してみました。

私が以前参画したプロジェクトは、開発メンバー4人とリーダーの私で合計5人の体制でした。
その時の私の仕事は、ほとんどリーダーに関係する業務で埋まりました。
余裕が出来たら開発もしようと思っていたのですが、全くもって余裕はなかったです。

私がリーダーに不慣れだったというのも関係してそうですが、「1人がきちんと関わりをもてる人数は4人まで」を身をもって体験していました。

ちなみに、「4人まで」の根拠には出典となる本があるみたいです。(以下です。)
※引用の(*4)の部分

こちらの本もいずれ読んでみようと思います。

「友達の数は何人?」ではどういった文脈で「1人がきちんと関わりをもてる人数は4人まで」という結論になったのかも気になるところです。

ラクラシー型組織

この数年、上下関係のないフラットな「ホラクラシー型組織」が注目を集めています。トップダウンヒエラルキー型組織とは異なり、“上司”というものが存在せず、ひとりひとりの裁量権やパフォーマンスを軸にしながら、横の連携で成り立っている自律・自走式の組織のことです。

「ホラクラシー型組織」というワードは本書で初めて知りました。
ネットで調べてみたところ、けっこうヒットしました。

本書でも図解も交えながら詳しく説明が書かれていますが、図解を引用するのはダメな気がするので代わりに似たようなリンクを貼っておきます。

sogyotecho.jp

本書の内容を全て引用すると長くなりそうなので自分なりに要約すると、『テレワークだと、以前より気軽に誰とでもオンラインでつながることができるので「ホラクラシー型組織」への流れを後押しすることが考えられます。』という感じです。

この流れは個人的に歓迎です。

役職や立場で権限がしっかり決まっているトップダウンな組織体制には窮屈さを感じていました。
なので「ホラクラシー型組織」の考え方は覚えておこうと思います。

なんなら、部分的にでも取り入れることが出来そうなら取り入れたいなと。
とはいえ、デメリットもあるはずなので慎重に取り入れていきたいと思います。
(リンクにもデメリットがしっかり書いてあります。)

評価バイアスに惑わされないようにするには?

マネージャーも人間である以上は部下に対して、ウマが合ったり合わなかったり、個人的に好感をもったりもたなかったりと、さまざまな感情があるものです。当然のことながら、評価はそうした個人的な感情を乗り越えて公平・公正でなければなりませんが、気付くとバイアスがかかっていることは多々あります。こうした「評価バイアス」はテレワークか否かにかかわらず気を付けなければなりませんが、テレワークによって相手の姿が見えなくなったことで、これまで以上に気を配る必要があると言えるでしょう。

代表的な評価バイアスは以下のようなものです。バイアスがかかることがあると意識しておくだけでも、バイアスに左右されることは少なくなるでしょう。

リーダー業務が徐々に増えてきたことにより、正式ではないにしても評価に関わる会話がちょっとずつ増えてきました。

そんな自分の現状において、引用した部分を読んだ時に「自分はバイアスに惑わされていないだろうか?」という不安がよぎりました。

本書では代表的なバイアスをたくさん挙げています。

  • ハロー効果
  • 期末評価
  • 寛大化傾向
  • 厳格化傾向
  • 中心化(平均化)傾向
  • 極端化(分散化)傾向
  • 論理的誤差
  • 対比誤差
  • 逆算化傾向

本書では上記で挙げたバイアスそれぞれの詳しい説明が載っていますが、それを全て引用すると長くなりすぎてしまうので割愛します。
詳しい説明が知りたい方は本書を読んで頂ければと。

一応、似たような参考リンクを貼っておきます。

jinji.jp

これだけ評価バイアスがあると、「全て覚えきれないな…」というのが正直な感想です。

ですが引用にも書いている通り、「バイアスがかかることがあると意識しておくだけでも、バイアスに左右されることは少なくなる」と思うので、頭の片隅に置いておくことにします。

今後、評価に関わるシチュエーションに直面した時に「バイアスに惑わされてないか?」の目線で一度自分を疑ってみるのが良さそうです。

おわりに

ということで、「テレワーク時代のマネジメントの教科書(後編)」に関してアレコレ書いてみました。

前編はテレワーク寄りな内容が多かったのですが、後編はマネジメント寄りな内容が多くなりました。

本書はテレワークの側面でも、マネジメントの側面でも、勉強になる部分が多かったです。

勉強になる部分が多かったので、テレワークもマネジメントも、もう少し本から知識を得ることが出来そうだなと思いました。

知識ばかりを詰め込んでも良くないですが、会社で培った経験だけで進めるのも良くないな、とも。

バランスよく進めていきたいなと思います。

前編の記事、改めてもう一度貼っておきます。
こちらも良ければぜひ。

miya-moto-blog.hatenablog.com

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